新型コロナウイルスの影響を受け、無観客オンライン開催となった昨年の「ひなくり2020〜おばけホテルと22人のサンタクロース〜」では、オンラインでしか出来ない演出が全編に盛り込まれた豪華な内容で大好評を博した。


そして今年、約2年ぶりの有観客開催となる会場、幕張メッセ国際展示場9-11ホールは、「ひなくり」史上最大のキャパシティ。2つのメインステージをはじめ、その広さを活かしたスケールの大きなパフォーマンスが生み出す“ハッピー・オーラ”は、会場・配信に参加する全ての“おひさま”を笑顔にし、閉塞感が拭えない2021年の終わりにとびっきりのパフォーマンスで魅せた。


なお、本公演は全キャパシティに対して50%の観客を動員。入場時における検温・手消毒・COCOAアプリの確認、会場内でのマスク着用と声出しを禁止するなど、コロナウイルス感染対策を講じて開催された。


開演10分前、メンバーの気合の入った“円陣”の声が漏れ聞こえると、会場は拍手で迎え、本公演への期待を大きく膨らませた。影アナは3期生の上村ひなのと郄橋未来虹が担当。「今日はクリスマス!外は寒いけど、熱くなる準備はできているか!?おひさま(ファンの総称)、盛り上がっていくぜー!!」と檄を飛ばした。


定刻「OVERTURE」が響き渡り、聖夜を彩る主役たちがステージに姿を現す。最新シングル『ってか』に収録の疾走感のある『アディショナルタイム』、『君しか勝たん』収録の重厚なラウドナンバー『膨大な夢に押し潰されて』、そして4thシングルの『ソンナコトナイヨ』をお見舞い。3曲3様のナンバーで序盤から日向坂46の存在感を示した。


最初のMCでは「おひさまのみなさん、ギア“ブチアゲ”で盛り上がっていただいて」と佐々木久美(キャプテン)。さらに「としちゃんどうですか?」と加藤史帆へ水を向けると「クリスマス当日に、たくさんのみなさんと過ごすことができて、今日は世界中で一番幸せな空間にしましょう!という感じ(笑)」と笑顔で答え、渡邉美穂は「今日は頑張って会場のひと全員と目を合わせるつもりで行くので楽しんでいきましょう!イエーイ!」と盛り上がったところでキャプテンの「最高に楽しいクリスマスにしましょうーー!」の煽りで、アルバム『ひなたざか』のリード曲『アザトカワイイ』をクリスマスっぽいステッキを持ってキュートにパフォーマンス。


金村美玖ら2期生、3期生のダンスパフォーマンスのあと、佐々木久美、佐々木美玲、齊藤京子、加藤史帆、高本彩花、東村芽依、潮紗理菜、影山優佳、高瀬愛奈の1期生がトロッコに乗って、タオルぶんまわしナンバー『好きといつことは…』で会場をさらに盛り上げる。変わって金村美玖、富田鈴花、丹生明里、松田好花、宮田愛萌、河田陽菜、濱岸ひより、渡邉美穂、2期生がトロッコに乗って『世界にはThank you!が溢れている』を笑顔弾けるパフォーマンス。そして、上村ひなの、郄橋未来虹、山口陽世、森本茉莉の3期生がカラフルなスカートとギンガムチェックのブラウスが可愛くて初々しい、『この夏をジャムにしよう』を披露。加藤史帆がソロ曲『嘆きのDelete』をクールにキメると、ここで、“はなちゃんず”こと富田鈴花&松田好花のユニット曲 『まさか 偶然…』をしっとりと切なく披露。さらに切ない3rdシングル『こんなに好きになっちゃっていいの?』から、力強く『川は流れる』をパフォーマンスし、幅広い世界観を見せつけた。


中盤MCでは東村が「何年か前のクリスマスに雪が降った日があって、雪だるま作った」と、クリスマスの思い出を話すと、「かっわいい!」とメンバー。富田は「甘やかしすぎじゃない」と冷静に分析していた。


キャプテンが「後半戦しゅっぱーつしんこー!」と号令をかけると、突如ステージに巨大なSLが到着。メンバーは「乗りたーい!」と一斉に乗車し、ふたたびファンのそばへ。『ホントの時間』『何度でも何度でも』、『日向坂46 デビューカウントダウンライブ』 のために秋元康氏が書き下ろした印象深い楽曲『日向坂』、2つのステージを使った、情熱の赤と、クールな青のダンスバトルを挟み『My fans』では特効による炎の柱と水のカーテンで、ステージ上はカオスになった。この水のカーテンは今回初めて使用されたもので、人気アーティストのライブならではの規模感がある派手な演出となった。山口陽世、松田好花、森本茉莉が会場を煽ると、2ndシングルに収録され振付がキュートな『キツネ』を披露後、狐にちなみ鳥居がバックに映し出され、和風のダンスパフォーマンスでおひさまを魅了、そしてMVでおなじみの人参モンスターが登場し、最新シングル『ってか』とノンストップで畳み掛けると、金村、潮、美玲が煽り、これがないと始まらないキャプテンの雄叫び炸裂!日向坂46ライブでは定番の上がるナンバー『誰よりも高く跳べ!2020』、「ひなくりラストー!跳べーー!!!」ボルテージは最高潮に。サンタ衣装に着替えたメンバーは『思いがけないダブルレインボー』を披露、キャプテンから「最後は虹を渡ってみなさんに会いに行きます!」と、メンバーひとりずつが小型のフロートに乗って、狭い通路の間も通り、より深くおひさまとの絆を確かめながら『JOYFUL LOVE』をパフォーマンス。おひさまも報道陣も笑顔のシャワーを浴びた。この『JOYFUL LOVE』では、会場のファンがサイリウムで虹を作るのが恒例となっているが、今回は『思いがけないダブルレインボー』でも二重の虹が出現。いずれもファン発信で行われている企画で、おひさまの愛情がよく伝わってくる感動的な光景だった。


アンコールは加藤が「おひさまとのひなくりしか勝たん!」と叫び、ひなくりTシャツに着替えたメンバーと『君しか勝たん』をキュートにパフォーマンス。


最後のMCパートでは齊藤が「ひなくりを2年ぶりに開催できたことが本当によかったのと、今までのライブで一番近くに行けて嬉しかったです」と答えると、丹生が会場でやりたいことを発表。「『ドラゴンボール』が大好きなので、“カメカメ波”ってやったらウェーブをやってほしい」と要望。おひさまははすかさずサイリウムをオレンジに変えてくれる。そして「オラに力を分けてくれ!カメカメ波!」との一声で舞台前方から奥へとキレイに描かれたウェーブに、丹生はもちろん、ほかもメンバーも大感激していた。さらに上村は「ひなのちゃん、クリスマスが1年の中で一番好きで、ひなくりも一番好きなんですー。今日は感謝の気持ちでいっぱいになりました」と可愛い感想にメンバーはメロメロ。


ここで発表がありますとキャプテンが息を整えると、モニターには「3周年記念MEMORIAL LIVE 〜3回目のひな誕祭〜」決定の告知が。さらに「場所は私たちから!せーの!東京ドーム!」と伝えると、一際大きな大きな拍手が会場を包んだ。「2019年に東京ドームって初めて聞いた時はサプライズでした。その後コロナの影響で何度も延期になっていしまって、ずっと待ってくれているおひさまのみなさまにも申し訳なく思って、私たちではなにもできなくて…でも、ついに来年の3月に決まりました。今度は私たちの口からみなさんにお伝えできたのが本当に嬉しいです。2年前よりは、少しは自信を持って臨めるかな。最高の“ひな誕祭”をお届けできるようがんばります!待っていてください!」と力を込めた。


“ついにあの場所に行ける”という思いを込めて、最後に『約束の卵』が披露され、来春の東京ドームへ大きな一歩をしっかり踏み出した。


撮影:上山陽介

取材・文:ドワンゴジェイピーnews編集部



日向坂 46「ひなくり 2021」 12 月 24 日(金)開場 17:00 /開演 18:30 

12 月 25 日(土)開場 16:00 /開演 17:30 

幕張メッセ 国際展示場 9-11 ホール 

<セットリスト> 

OVERTURE 

M1.アディショナルタイム 

M2.膨⼤な夢に押し潰されて 

M3.ソンナコトナイヨ 

M4.アザトカワイイ 

M5.好きということは… (24 日:どうする?どうする?どうする?) 

M6.世界には Thank you!が溢れている (24 日:沈黙が愛なら) 

M7.この夏をジャムにしよう (24 日:Right?) 

M8.嘆きの Delete 

M9.まさか偶然… 

M10.こんなに好きになっちゃっていいの? 

M11.川は流れる 

M12.ホントの時間 

M13.何度でも何度でも 

M14.⽇向坂 

M15.My fans 

M16.キツネ 

M17.ってか 

M18.誰よりも⾼く跳べ 

M19.思いがけないダブルレインボー 

M20. JOYFUL LOVE 

EN1.君しか勝たん 

EN2.約束の卵


★日向坂46「3周年記念MEMORIAL LIVE 〜3回目のひな誕祭〜」

2022年3月30日(水)&31日(木)

会場:東京ドーム