大型アップデートやパソコン買い換えでの再設定トラブルを回避する! 筆者直伝の“転ばぬ先の杖”として準備しておく5つのポイント

写真拡大 (全4枚)

Windows OSの最新版、Windows 11が10月から提供開始された。
アップグレードが降臨するタイミングはばらつきがあるようだが、早くアップグレードしたい人は能動的にアップグレードすることもできる。

ただしアップグレードの時に心配なのが、アップグレード後の不具合やトラブルだ。

大型アップグレードやアップグレードの際には、
もしもに備えて、以下のことをやっておくのは常識中の常識だ。
1)復元ポイントの作成
2)回復ドライブの作成

1)は、正常に動作している状態のときに作成しておき、うまく動作しなくなったらそのポイントまで戻すために作成するもの。
2)はUSBメモリーに作成しておき、パソコンが起動しなくなってもそのUSBメモリーから初期状態に戻せるようにするもの。

この2つについては、ちょっとWebを検索すれば丁寧な説明がたくさん出てくるので、今回は割愛させていただく。


大型アップデートやアップグレードでは、
うまくいかなかったときは最悪、クリーンインストールする必要が出てくる。
その時に備えて
・「やっておかないと痛い目に遭うこと」
・「やっておくと後々楽ができること」
今回は、この点について紹介したい。

筆者の場合、Windows 11非対応のマシンを、裏技でアップグレードしようとしてうまく動作しなくなり、Windows 10から入れ直す(クリーンインストールする)羽目になってしまった。

その際に役立ったのが下記のことだ。

●データのバックアップ
これは言わずもがな、仕事のデータを失うと気絶するほど困る。
日頃からバックアップは取っているが、改めて漏れがないかをチェックしておこう。

筆者の場合は、メールクライアント(POP3)を使っているため、送受信履歴やアドレス帳などもバックアップしておく必要がある。できるだけタイムラグなくエクスポートしておき、新しい環境になったらすぐにインポートしよう。

ほかに会計ソフトなど、
ローカルハードディスクの「ドキュメント」以外に、独自フォルダーにデータを保存するようなソフトは、それらのバックアップも忘れずに取っておくようにしたい。

ちなみにパソコン版LINEのバックアップは取れない。
それぞれのトークルームのトーク履歴を個別にテキストファイルとして保存することはできるが、あくまでもパソコン版LINEはスマートフォン版のサブという扱いであることに注意したい。

筆者もパソコン版は、以前のトーク履歴はなくなったが、スマートフォン側には履歴があるので特に困ることはなかった。


●どんなアプリを入れていたかの一覧表で確認する
これが案外役に立つ。毎日のように使っているものはすぐに思い出せる。
例えばMicrosoft OfficeやGoogle Chromeなど。

しかし利用頻度が低いアプリは、意外に思い出せないものも多いのだ。

そんなときに備えて、自分が利用しているアプリの一覧を作っておくとそれを見ながらアプリを入れ直せばいい。これをやっておけば「考える」「思い出す」という作業を省ける。

筆者の場合は入手方法別に分けており、インストールと設定と項目を分けて作業が済んだ項目にチェックを入れるようにしている。
このアプリ一覧は、トラブル時以外にも、新規にパソコンを買い換えた際にも大いに役立つのだ。


アプリ一覧を作成するようになってから入れ直しが非常にスムーズになった



●デスクトップ画面のキャプチャー
これも筆者独自のアイデアだ。
デスクトップにどんなアプリのショートカットを貼り付けていたか?
これも意外と覚えていないのだ。

「新しい環境になってデスクトップも新しくしたい!」という場合は新しく構築していけばよい。
しかし筆者のように
「これまで通りの使い勝手」
これを再現したい人にとっては、以前の環境を忠実に復元することが大事なのだ。

クリーンインストールする前にデスクトップ画面のキャプチャーをしておくと、どのアプリアイコンをどの位置に置いていたかも、そのキャプチャーを見ながら再配置できる。

こちらも「思い出す」という頭を使う作業を「単純作業」に落とし込めるのでセットアップ作業がとても楽になる。
キャプチャーしてそのデータをどこに保存してまたそれをどこに書き戻すかなどを考えるのが面倒な場合は、スマートフォンのカメラで撮影しておくのもいいだろう。


普段デスクトップに置いてあるショートカットも、案外覚えていないものだ



●プリンターなど周辺機器の設定
プリンターなどの設定は重要だ。これも案外、
「あれ? どう設定するんだっけ? マニュアルは? ドライバーは?」
こうなりがちだ。

あらかじめドライバーがダウンロードできるURLや設定方法が記載されているページのURLをメモ帳などに記録しておいたり、設定方法を直接テキストで書き留めておいたりなどしておく。
印刷だけでなくコピーやスキャンもできる複合機の場合、スキャンソフトのインストールや設定もあったりするので、その辺も記録しておくと再設定するときにラクができる。


●Excelなどのジャンプリスト
筆者は仕事だけでなく、プライベートでもExcelをよく使っている。
朝何時に起きたか、薬は飲んだか、プロテインは飲んだか、ざっくり何をして何時に寝たか、などを日記代わりにExcelに記録している。
そのほか家計の入出金記録、仕事予定&実施表、確定申告準備用のギャラ入金一覧など、Excelで管理しているものが非常に多く、頻繁に開いている。

そのため、ジャンプリストにピン留めしているファイルが多いのだが、そのピン留めの順番も以前と変わるととても違和感がある。かといって順番を確実に覚えているわけでもない。

なので、ジャンプリストのキャプチャーも撮っている。
そうすれば、その順番にファイルを開いて順番にピン留めしていけばいいだけだ。


ジャンプリストも順番が変わると違和感があり集中力がそがれる



このように、クリーンインストールが必要な際や、新規パソコンに買い換えした際には、できるだけ速やかに、またできるだけ悩まずに元の環境に戻せる準備をしておけば、アップグレードなどでも恐れや躊躇、億劫さが少しは軽減されるのではないだろうか。

ちなみに筆者は、Windows 10をクリーンインストールで入れた後、もう一度裏技でWindows 11を再インストールしてうまくいき、上記の準備をフル活用して速やかに前とほぼ同じ環境を構築して、今、快適にWindows 11を使っている。




執筆 内藤由美