1500万円超の究極「ハチロク」お披露目! フルカスタムの「AE86&GR86」登場! 納得のド迫力カスタムとは

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クスコがスゴイ新旧86をSEMAショーにて出展

 アメリカ・ラスベガスで毎年11月に開催される、世界最大級のアフターマーケットパーツの見本市「SEMAショー」。

 数多くのカスタマイズカーが出展されるなかで、アフターパーツブランドのクスコは、新旧のトヨタ「ハチロク」をお披露目しました。

こりゃすげぇ!! クスコがSEMAショーでお披露目した究極の「TEC-ART'S AE86」(撮影:加藤ヒロト)

【画像】価格は1500万円超え!? クスコがお披露目した新旧86が凄すぎる!(29枚)

 新型コロナウィルス感染症拡大の影響で2020年がオンライン開催だったため、2021年は2年ぶりの実地開催となりました。

 アメリカの見本市ではあるものの、近年高まりつつある日本車人気を受け日本ブランドのパーツメーカーなどが数多く出展していましたが、2021年は常連のテインやGReddyなどが出展を取りやめ少し寂しい印象を受けました。

 そのようななかでもこだわりの強い出展で多くの来場者が訪れ、注目を集めていたのが群馬県高崎市に本拠地を置くキャロッセが展開するブランド「クスコ」のブースです。

 クスコはモータースポーツには欠かせない車高調やショック、ボディ補強パーツ、LSD(リミテッドスリップディファレンシャル)などの製造・販売を手掛ける会社で、自動車を用いたラリーやジムカーナ、ダートトライアルなどのモータースポーツ競技をおこなう人には知られたブランドです。

 今回のSEMAショーにて、クスコは「CUSCO GR86 featured by Pandem」と「TEC-ART’S AE86」と称した2台のカスタムカーを展示。

 GR86はまだ発表されて間もないモデルで、会場内にはトヨタブースの個体も含め3台しか展示されていなかったこともあり、大勢の来場者がブースを訪れていました。

 今回出展されたクスコカラーのGR86はカリスマ的人気を誇る世界的エアロキットデザイナー三浦慶氏が率いるTRA京都のロケットバニー/パンデムワイドボディキットを装着。

 これにより、GR86の魅力的なボディラインをさらに強調させるワイドな風貌が実現しました。

 エンジンチューニングは基本的にはなされておらず、タワーバーやブレースなどのボディ補強類、車高調、そしてクラッチなどはクスコの製品が用いられている仕様となっています。

 キャロッセのモータースポーツワークスチームである「クスコレーシング」は現在、ドリフト競技シリーズのFORMULA DRIFT JAPANにGRスープラで参戦していますが、今回出展されたGR86と同じキットやデザインを施したマシンをテスト中で、早ければ2022年のシーズンから投入を予定しているとのことです。

値付けするなら1500万円超? とんでもないチューニングが施されたAE86登場!

 もうひとつ、来場者が足を止めてじっくりと眺めていたのが同じクスコブースに展示されていたAE86です。

 ぱっと見は非常にクリーンなAE86で、よくある「日本から持ち込んだAE86」かのように見えます。

 ですが、なかを覗いてみると、とんでもないチューニングメニューが施されていることがわかりました。

 まず、今回出展された個体は通常のAE86ではありません。元々はアメリカ向けの4A-C型エンジン(SOHC8バルブシングルキャブ仕様)を搭載した左ハンドルの個体です。

 ボロボロの状態だったのをアメリカで探し出し、レストアのために埼玉県八潮市に本拠地を置くAE86専門店「テックアート」に運び込まれました。

 長年アメリカ西海岸特有の強い紫外線にさらされてボロボロになった外装はすべて新品のレストアパーツを用いて修復。

 また、単に外装を新品に交換するだけでなく、ボンネットやドア、ルーフパネル、リアゲートなどはインパルス製のドライカーボンのものが使用され、究極の軽量化がおこなわれています。

 内装面ではダッシュボードにテックアート製のレザーダッシュパネル、ファブリックやフロアマットはBRIDE製、フロントとリアシートもクスコとBRIDEのコラボモデルが使用されており、運動性能はもちろん、後部座席に乗る人の快適性をも考慮されて作られました。

ド迫力エアロがスゴい! クスコの「CUSCO GR86 featured by Pandem」」(撮影:加藤ヒロト)

 エンジンは通常のAE86が搭載する4A-Gのヘッドに7A-FEの腰下を組み合わせる定番のチューニングエンジン「7A-G」にすることで、1.6リッターから1.8リッターへと排気量を拡大。

 コンロッドやクランク、シャフト、ラジエーター、燃料ポンプなどもテックアートが手掛けるオリジナルパーツを用いています。

 また、4連スロットルは電子制御化され、MoTEC M130を使ったECUチューニングと組み合わせることで、ダイレクトなフィーリングと加速を実現したとのことです。

 エンジン全体のチューニングはフルチューンとせず、あえて良い程度で抑えることで、ストリート重視の楽しさを実現した内容となっています。

 ホイールは15インチのWORK MEISTER CR01が使用されていますが、これはドリフト界のレジェンド土屋圭一氏が個人で所有するAE86と同様となります。

 土屋圭一氏はテックアートのAE86が日本で完成し、アメリカに送られる前に実際に袖ヶ浦フォレストレースウェイで試乗し、インプレッションをおこないました。

 クスコブースの責任者、クスコUSAディレクターの井上謙司氏は「2台の86を見に多くの来場者がブースに立ち寄ってくれました。

 とくに驚かれたのはやはりAE86の方で、仕上がりの美しさとこだわりに注目が集まりました。その後の問い合わせも多くいただいています。」と話しました。

 土屋氏が「AE86の新車みたい」と評したことからもわかるように、フルレストアのみならず、カスタムも施した新しい「レストモッド」の形を指し示すものとなっています。

 なお、テックアートの鎌田氏に「AE86にもし値段を付けるなら?」と聞いたところ、「1500万円超?」と答えてくれました。