フランスを代表する熟成ハードチーズ。「コンテ」の魅力

限りなく豊かな多様性を持つハードチーズ「コンテ」

フランスを代表とする熟成ハードチーズ「コンテ」。添加物を一切使わない、自然そのままの味わいと豊かな風味が魅力で、フランス産AOP(原産地呼称保護)チーズの中で最大の生産量を誇っています。

コンテはフランス東部のジュラ山脈一帯で作られますが、その限定生産地は2,300ヘクタールと東京都より若干広く、標高も200~1,500mと幅広くて牛の餌となる自生の植物も多岐にわたることから、一言にコンテと言っても、限りなく豊かな多様性を持つのが特長です。

作られた季節や熟成期間などによっても異なるアロマや風味を持ち、ひとつとして同じコンテはありません。今回は3種類のコンテをテイスティングし、コンテのもつ多様性についてご紹介します。

季節や熟成期間によって異なる味わい

若めの冬作りのコンテ(2020年2月製造)

牛が干し草を食べている冬の間に作られたコンテはアイボリー色。若いコンテは弾力があってミルクの風味が強く、白ビールやにごり酒によく合います。蜂蜜やジャムを合わせるのもおすすめです。

フルーティーな夏作りのコンテ(2019年8月製造)

放牧された牛がフレッシュな草花を食べている夏の時期に作られたコンテは、植物のカロチンの影響で黄色っぽくなります。アプリコットや柑橘系のフルーツなど華やかなアロマが感じられ、また長期熟成されたコンテ特有のアミノ酸の結晶があり、濃厚な味わいが感じられます。

シャンパーニュ(ブラン・ド・ブラン)や白ワイン(シャルドネやサヴャニャン)、日本酒(山廃、生もと、ひやおろし)などがよく合います。

長期熟成された冬作りのコンテ(2018年12月製造)

凝縮されているため弾力性はほぼなく、深い旨味があり、余韻も長く感じます。

ロースト系や柑橘系、焦がしキャラメルや、焼いたバターなど複雑なアロマが感じられ、ウィスキーや、ジュラ地方の黄色ワイン(ヴァン・ジョーヌ)、苦みと酸味のあるビール(IPA)や黒ビール(スタウト)などとよく合います。食後にゆっくり少しずつ味わうのがおすすめです。

コンテの味わいを引き立てるおつまみ

コンテとキャラメル、黒胡椒がけ

ウィスキーや黒ビールによく合うおつまみです。

コンテとチョリソー、ローズマリー風味

ビールや赤ワインがおすすめです。

おいしいチーズを食卓に

フランスでは朝食からおやつ、料理やワインのおつまみに、子どもから大人まで広く親しまれてします。1,000年の伝統を守りながら職人が丹精をこめて作った「コンテ」を、ぜひおうちでも味わってみてくださいね!