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 近年、あまり聞かなくなった言葉に「親衛隊」がある。

 親衛隊は通常のアイドルのファンクラブと異なる。熱狂的ファンからなる団体が出待ちや局入りの際のガード、また芸能事務所から依頼をもとにしたライブの手荷物チェックなど、自主的にアイドルの警備に取り組んでいた。1980年代、多くの親衛隊が誕生していた。

 女性アイドルでは南野陽子、中森明菜、松田聖子の親衛隊が有名で、全盛期には数百人単位で多くの親衛隊が存在した。

 だが、アイドルの親衛隊は中学生から高校生の未成年者が中心で、血気盛んな親衛隊同士による小競り合いや内部抗争も多かった。1980年代末には派閥抗争を防ぐために「全国親衛隊連合」「全日本親衛隊同盟」といった連合組織も作られた。

 そんな親衛隊だが、1980年代中盤は親衛隊による未成年犯罪が度々問題になったことがある。

 1984(昭和59)年7月、当時大人気だった堀ちえみの親衛隊メンバー67人が窃盗罪で一斉に逮捕される事件があった。大多数は高校生で、なかには中学生も交じっていた。

 彼らは東京都内で親衛隊を結成。団結力は高く地方のコンサートまで応援に駆け付けるほどだった。

 しかし、親衛隊メンバーのほとんどはお金のない高校生。コンサートのチケット代やグッズの購入費、交通費などお金が必要だった。

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 そこで彼らは、コンサートに行くお金を集めようと、万引きをはじめ自動販売機や公衆電話荒らし、学校荒らしなどを開始。およそ1年間で延べ425件もの窃盗事件を起こしていたことが分かった。

 犯罪に手を染めたのは当初「堀ちえみのため」であったが、次第に歯止めがきかなくなり、最終的にはオートバイを使い集団で自販機や公衆電話を破壊。暴走行為が快感になって「不良化」していた者もいたという。 当時活動していた親衛隊のすべてが秩序のないグループだったわけではない。ただ、当時のアイドルブームの裏では多くの少年犯罪が摘発されていたのだ。