勝敗の分かれ目となった“ミス”にオカンムリのフィッカデンティ監督。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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[J1リーグ第18節]G大阪 2−1 名古屋/9月23日/パナスタ

 ほぼパーフェクトに近い内容だった前半から一転、後半はほとんど見せ場がない体たらくだった。

【動画】壁は割れていた!? フィッカデンティ監督を激怒させた“同点ゴール”はこちら!

 パナソニックスタジアム吹田で開催されたガンバ大阪対名古屋グランパスのナイトゲームは、2−1でホームチームの逆転勝利に終わった。連勝を狙った名古屋は開始21分にCKから金崎夢生のゴールで幸先良く先制するも、後半に入ってペースダウン。直接FKから同点とされるとさらに劣勢の展開を余儀なくされ、87分に宇佐美貴史の一撃に沈んだ。

 試合後、リモート会見で怒り心頭だったのがマッシモ・フィッカデンティ監督。「前半あれだけチャンスを作りながら、あのスコアで前半を終えたのが勝てなかった要因だと思う。なにもやられてなかったし、チャンスもあった」と振り返り、とりわけ53分の失点シーンを切り取って激しく糾弾した。

「汚い言葉で申し訳ですけど、同点のシーンはバカなんじゃないかと。そういった表現しかできないような、残念すぎる失点の仕方だった。ガンバは前半を耐え抜いたと、そういう感覚を持ち帰っただろう。そこで(後半に)ゴールまでプレゼントしてしまい、希望を与えてしまったのだ。今日の名古屋はなんでもプレゼントしてくれるとね。サッカーとは不思議なもので、些細なところで丁寧にやらないと試合展開が変わってしまう。サッカーの怖さが見えたんじゃないか」
 
 名古屋の失点は直接FKからだった。ゴールまで20メートルの位置で、キッカーを務めたG大阪の大卒ルーキー・山本悠樹は「ちょっと(距離が)近いなと感じた。名古屋の壁も高く感じてました」と回顧する。実際に彼のショットは壁を越えられなかったが、なんとその隙間をすり抜け、選手に当たってコースが変わり、GKランゲラックの逆を衝いてゴールに吸い込まれた。

 フィッカデンティ監督は「どんな強いチームでも、どんなにいいゲームをしても、壁が割れてしまっては話にならない。勝てない。普通のサッカーの試合では起こらないゴールだと思う」と再度嘆き、「ものすごい強烈なシュートで反射的によけたくなるようなシュートだったか。そうではない。抜けてはいけないところを抜けた。どうぞ、とプレゼントしたのだ」と繰り返した。

 上位に踏みとどまるためにも、ここに来ての連敗だけは避けなくてはならない。次節、ホームでの清水エスパルス戦で沈滞ムードを払拭できるか。智将の立て直しに注目が集まる。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部