法定通りに育児休業が取れる都内の事業所は5割以下であることが17日、東京都産業労働局が発表した調査で分かった。改正育児・介護休業法への企業の対応が遅れていることがうかがえる。職場での男女平等に関しては、男女とも「配置・昇進」が平等でないと感じていることも分かった。

 都産業労働局は毎年、職場での男女平等などに関する実情と課題を把握するための調査を実施している。2005年度は、育児・介護休業法の改正点を中心に、仕事と家庭を両立させるための雇用環境や、女性雇用管理の基本事項について調査を行った。調査は05年9月1日から30日まで、島しょ部を除く都内全域の従業員規模30人以上の11業種2500事業所と、同事業所に勤務する従業員男女各2500人を対象に行われた。

 05年4月施行の改正育児・介護休業法では、育児休業期間をそれまで「子が1歳に達するまで」と規定していたものを、条件付きで「子が1歳6カ月に達するまで」育児休業が取れるようになった。しかし、法改正に対応している事業所は46.9%しかないことが今回の調査で分かった。

 育児休業の取得を希望する者は、女性で8割、男性でも5割を超えている。年代別にみると、男性は「20代」の60.4%、「30代」の55.2%が希望しており、年代が低いほど希望する割合が高くなっている。一方、育児休業対象者のうち、実際に休業を取得した者は、女性は9割近くいるが、男性は1割にも満たない。

 仕事と家庭の両立支援制度に関する従業員の回答をみると、男女とも「労働時間の短縮など柔軟な働き方の促進」(女性70.7%、男性52.8%)を必要とする割合が最も高い。ほかには、「休業や職場復帰がしやすい職場環境の整備」(女性50.6%、男性43.2%)など職場環境の充実を必要としている。

 職場での男女平等な取り扱いについてたずねたところ、女性の約3割、男性の約2割が男女平等でないと回答、男女ともそのうちの約8割が「配置・昇進」を平等でないとしている。【了】

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東京都
厚生労働省(職業生活と家庭生活との両立のために )