by Espen Moe

アメリカの司法省が2020年6月24日に、告発サイト「WikiLeaks(ウィキリークス)」の創始者ジュリアン・アサンジについて、ハッカーと共謀した罪により追起訴したことを発表しました。

WikiLeaks Founder Charged in Superseding Indictment | OPA | Department of Justice

https://www.justice.gov/opa/pr/wikileaks-founder-charged-superseding-indictment

Justice Department announces superseding indictment against Wikileaks' Assange | TheHill

https://thehill.com/policy/cybersecurity/504434-justice-department-announces-superseding-indictment-against-wikileaks

WikiLeaksを創設し、数々の機密を暴いてきたジュリアン・アサンジですが、性的暴行の罪に問われ2012年からロンドンのエクアドル大使館内で亡命生活を送ってきました。約7年にわたりエクアドル大使館に籠城していたアサンジですが、2019年4月11日にイギリス警察により逮捕され、それ以来ロンドンのベルマーシュ刑務所に収監されています。

数々の機密情報を暴露してきたWikiLeaksの創始者ジュリアン・アサンジが逮捕される - GIGAZINE



アメリカ司法省は、アサンジの追起訴に関する発表の中で「2012年に、アサンジはアノニマスから分裂したハッカー集団『LulzSec』のリーダーと直接連絡を取り、LulzSecにハッキングのターゲットのリストを提供しました。また、アサンジはLulzSecのリーダーに対し、ターゲットのメールや文書をWikiLeaksに引き渡すよう要求しました。ハッカーの証言によると、アサンジは間接的に、ターゲットに対しスパムメールを送るよう依頼しました」と述べました。

今回の追起訴は、既にアサンジが起訴されている18件の罪状に新しく追加されるものではありませんが、「PCへのハッキングに関する策謀容疑の範囲を拡大するもの」とのことです。

また、司法省は「アサンジが有罪判決を受けた場合、最大5年間の懲役刑に処される可能性があるPCへのハッキング容疑を除き、各罪状の最高刑である10年の懲役刑に直面することになります」と指摘しました。今回の追起訴によりPCへのハッキング容疑の範囲が拡大されたことが、アサンジが科される刑罰にどのような影響を与えるかは未確定です。

ジャーナリストのGlenn Greenwald氏はTwitterで「アメリカの戦争犯罪を暴いた機密文書を白日の下にさらす協力をしたとして、ジュリアン・アサンジを投獄しようするトランプ政権下の司法省の試みは、2016年以来で最も深刻な報道の自由に対する脅威です」と述べました。



アサンジの弁護士であるバリー・ポラック氏はThe New York Timesの取材に対し「起訴状をよく検討してからコメントします」と回答しました。