新宿駅前に現れた鳥が、絶滅危惧種の「ミゾゴイ」なのではないかと注目を集めている。

2020年5月15日朝、ツイッターユーザーの枯蛇(@rukikikikiki)さんは新宿駅東口の前でこの鳥に遭遇。褐色の羽と黄色い目を持った鳥が、茶色いタイルの上で体を伸ばして直立している。その表情はまるで何かに驚いているかのようで、コミカルだ。

枯蛇さんのツイートには、

「絶滅危惧種のミゾゴイ?ヨシゴイ?どっちなの?何で新宿駅にいるんだろう?」
「え!!!??wミゾゴイ...!!!??
世界に2000羽いるかいないかとか言われてる希少な鳥だよ」
「まさかの絶滅危惧種!!!」

など驚きの声が寄せられている。

環境相自然環境局野生生物課が16年に発表した「ミゾゴイ保護の進め方」によると、ミゾゴイはほぼ日本でのみ繁殖するサギ科の夏鳥だ。環境相レッドリスト2020(絶滅のおそれのある野生生物の種のリスト)では、「絶滅危惧II種(U V)」に位置付けられている。これは、「絶滅の危険が増大している種」という意味。

そんな珍しい鳥が、本当に新宿駅前に姿を見せたのだろうか。

Jタウンネット編集部は、鳥類の調査研究を行うNPO法人バードリサーチに写真を見てもらった。

ミゾゴイで間違いない

20年6月22日、Jタウンネット編集部の取材に応じたバードリサーチ事務局によると、写真に映っている鳥はミゾゴイで間違いないとのことだ。

「嘴や首の長さ、足の長さなどの体型から中型のサギの仲間であることがわかり、
褐色であることなど体の色からミゾゴイ属であること、
頭頂部が黒くないことなどからズグロミゾゴイでなくミゾゴイであることがわかるかと思います。
主に夜間に鳴く鳥で、ボォーッボォーッと特徴的な低音で鳴きます」(バードリサーチ事務局)


本当にミゾゴイだった(写真は枯蛇さんのツイートより、編集部でトリミング)

また、この個体は幼鳥ではなく、成鳥だと考えられるそう。

「幼鳥の場合、頭などの体上面がより暗い色で、頭や翼には細かい黒斑が多くみられます。写真では翼がよく見えませんが、体や頭の色から成鳥と判断しました」(バードリサーチ事務局)

バードリサーチによると、ミゾゴイについては正確な数を数える調査がなされていないため、詳しい数はわからないが、やはり個体数の多い鳥ではないそうだ。

山地の、落葉広葉樹林で観察されることが多く、湿潤な環境を好むという。都内で野生のミゾゴイが見られることは時々あるが、街中に現れることはとても珍しいそう。

特に、新宿駅という大都会のど真ん中で観察された事については、

「ふつうは山地の薄暗いところにいる印象ですので、昼間に都心の人通りの多いところにいるのは特に珍しいと思います」(バードリサーチ事務局)

では、なぜこんな場所にミゾゴイが現れたのだろう。考えられる原因を聞いてみると、

「なんともわかりませんが、渡りの途中や生息地間の移動中に何らかのトラブルにあったことが考えられます」

とのこと。


なぜこんな場所に...(写真は枯蛇さんのツイートより)

もし、街でミゾゴイを見かけたらどうすれば良いのだろう。 22日、環境省自然環境局野生生物課に聞いてみると、通常の野生生物を見かけた時と同様、無闇に近づかずにそっとしておくことが望ましい、という答えだった。