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分類番号、2ケタ→3ケタ いつから?

text:Kumiko Kato(加藤久美子)

クルマのナンバープレートの分類番号とは、地名の右側にある1〜3ケタまでの数字やアルファベットのこと。3、4、5など上1ケタの数字は乗用や貨物など自動車の用途や大きさを表している。

希望番号制の開始とともに、分類番号が全国的に3ケタになったのは1999年5月のこと。横浜や名古屋など一部の地域では、先行してその1年前の1998年5月から3ケタナンバーの払い出しが始まっていた。軽自動車に関しては2005年に分類番号が3ケタになると同時に希望番号制がスタートしている。

「2ケタナンバー」の例。    加藤博人

筆者のクルマは初度登録が1998年4月の横浜35ナンバーのアルファ・ロメオ・スパイダー(新古車)で、まさにギリギリで2ケタナンバーの登録となった。

当時、真新しいアルファ・ロメオのオープンカーに2ケタナンバーは古臭い。あと少しずれていたら3ケタだったのに! と、少し悔しい思いを抱いていたように思う。

横浜ナンバーはとくに、全国に先駆けて3ケタの払い出しが行われていたので、なおさら、残念な気持ちになっていた。

あれから22年。20世紀から21世紀に。平成から令和に時代は変わったが、筆者はまだ横浜35のスパイダーに乗り続けている。距離は26万5000kmを超えた。

2ケタナンバーを見ることもめっきり減ってしまったが、近所で横浜33や品川33などのクルマを見かけると何とも言えない親近感を感じてしま

現存する2ケタナンバー、約240万台

国土交通省が公表している資料「初度登録年度別の年間減少台数」によると、2019年3月末現在、全国には軽自動車を除く登録車(普通車・小型車)だけで約240万台以上の2ケタナンバー車が存在している。

240万台と聞くとすごく多い印象だが、これは日本に存在している登録車のわずか6%程度に過ぎない。

「2ケタナンバー」の例。    AUTOCAR

そしてこの2ケタナンバー車が今、意外な高価値を生んでいるという。知らせてくれたのは91年式ポルシェ911(964)オーナーのKさんだ。

「横浜35は最強だよ! 空冷ポルシェ&横浜2ケタナンバーなら査定は+50万円って、ディーラーの査定で言われたよ」という話からだった。

確かに80年代90年代のクルマに真新しい3ケタナンバーがついているより、歴史を感じさせる2ケタナンバーがついている方がしっくりくる印象はあったが……まさか査定にまで影響しているとは?

しかし、Kさんはこうも話してくれた。

「下取りの時、2ケタナンバーにプレミア価格が付くのは地域と車種がある程度限定されるよね。横浜、品川、湘南+スポーツカーなど趣味性が高いクルマかな」ということだった。

実際そんなことがあるのだろうか?

自動車販売の世界で40年近い経験を持つ、株式会社ティアンドエムカンパニー代表生井幹雄氏に話を聞いてみた。

価値を認めてくれるのは専門店だけ?

歴史あるランドローバーやランドクルーザーを扱う「ツインランド」の経営も手掛ける生井氏は業界の事情と歴史にとても詳しい。

「古いクルマにつけられた1ケタ、2ケタナンバーにはプレミアム的な価値があります」

専門店か老舗の中古車販売店ならば「2ケタナンバー」の価値を認めてくれる可能性が高まる。    神村 聖

「これは今に始まったことではありません。ただし、それらの価値を認めてくれるのは専門店か老舗の中古車販売店ですね」

「買い取り時の査定について、2ケタナンバーなどのクラシックカーは一般的な大手の買い取り業者ではほとんど価値がないとされます」

「たんに、一律に製造年月が古いクルマとして査定(ほぼゼロですが)されるだけで終わります」

「大手の買い取り業者では全て売れ筋のカラーやオプションまで細かくマニュアル化されており、買い取り価格は本部のデータ中枢で判断されるからです」

「専門店や老舗店などで価値が認められ、プレミア価格で買い取られた2ケタナンバー車はそのようなクルマの購入を希望する人と繋いで販売されるケースが多いです」

1ケタ/2ケタナンバーのクルマにプレミアムな価値が認められ査定額がアップするというのは、どうやら本当の話だったようだ。

なお、横浜ナンバーの場合、横浜33などの2ケタナンバーを引き継げるのは、「横浜市、横須賀市、鎌倉市、逗子市、三浦市、三浦郡」に使用の本拠があるオーナーに限られる。

2ケタナンバー、もう1つの価値とは

生井氏によると、2ケタナンバーのクルマには、もう1つ重要な価値があるという。

それは少なくとも21〜22年以上、ナンバーが変わっていないことで整備記録などの記録が、ワンオーナーでなくても辿って調べやすいということである。

「登録事項証明書の保存記録によって、同じ車台番号のクルマであれば、初度登録から現在まで歴代のオーナーの名前や住所がわかりますが、古いクルマにとって重要な整備記録、どんなパーツをいつ頃交換したのか? といったことなどは同じナンバーである方が記録をたどりやすいのです」

「2ケタナンバーのクルマは、新たなオーナーが安心して乗れるメリットもあり、また、とくに古いスポーツカーでは当時のままの2ケタナンバーはステータスにもなります」

「よって、こだわってこの手のクルマを探している人にとっては、プレミアムな価値となり、査定価格もアップするのでしょう」

ところで筆者のアルファ・ロメオ・スパイダー。10年くらい前に査定の一括見積りしてもらったが、ほぼ全滅だった……。返事すら来なかった業者もいた。

返事が来てもほとんどは「買い取りができません」(つまり査定ゼロ)で、「頑張って5万円です」との回答も1社だけあった。

わが家のアルファ・ロメオ・スパイダーに2ケタナンバーの価値はあるのだろうか?

「加藤さんお乗りの916は2ケタの価値はあまり期待できず通常、査定はゼロですが、専門店だと買い取ってくれるでしょう」(生井氏)

「その場合、程度にもよりますがワンオーナーであることが大きな武器になります」

とのことだった。

2ケタナンバーよりも、ワンオーナーで22年間乗って来たことに価値があるらしい。

ところで、もろもろの事情で2ケタのナンバープレートを手放すことになった場合、希望すれば旧ナンバープレートが返付されることをご存知だろうか? 事故でナンバープレートを破損、汚損して交換する場合も同様。新車時からついていたナンバーも返付される。

2017年4月に始まった「記念所蔵」という制度で、申し出れば、旧ナンバープレートに直径40mmの穴を開けて戻してくれる。もちろん2ケタのみならず、3ケタも希望番号も絵柄入りもすべてのナンバーが対象だ。

クルマは手放しても、長い間一緒に走って来たナンバープレートだけは一生そばに置いておける素敵なシステムだ。