炎を上げて燃える首里城の建物=2019年10月31日午前5時56分、那覇市、岡田将平撮影

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 沖縄の代表的な観光スポットで、沖縄の人たちにとって聖地でもある首里城で火災があった。

 首里城復元の歴史考証を担当した高良倉吉・琉球大学名誉教授(琉球史)に話を聞いた。

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 那覇市の自宅から、首里城の方角が炎に包まれているのを見て言葉を失った。今年2月、(正殿の裏側にある)「御内原(おうちばら)エリア」などの復元を終えて一般公開。三十数年をかけて、復元整備にひと区切りがついたばかりだった。

 明治以来の本土への同化志向もあって琉球王国の文物は散逸し、史跡や風景も沖縄戦で破壊されてしまっていた。そんな沖縄にとって、首里城の復元はアイデンティティーを取り戻すプロジェクトでもあった。

 沖縄戦による焼失もあり、復元作業の参考になる資料は乏しかった。復元に関わり苦労した多くの人たちが、喜びをかみしめていた矢先に、まさかこんなことになるとは。沖縄の歴史と誇りを象徴する首里城が再び失われてしまった。再度の復元については、今は何も考えられない。