妊娠後の結婚、いわゆる「できちゃった婚」。世間体が悪い、順番が違うでしょ、などと親世代の人には評判が悪いこの結婚スタイルですが、今や結婚するカップルの4組に1組はこの「できちゃった婚」だと言われています。若い世代の間では今や普通となったこのスタイル。そんな状況を受けて、ブライダル業界はいろいろと商戦をはっているようです。

 女性下着メーカーの「ワコール」が注目したのが、妊婦用のドレス。お腹が大きくなってからの挙式が多くなる「できちゃった婚」新婦の体型を考慮し、特別な縫製を施したウェディングドレスを商品化。お腹部分にソフトで縦横に伸縮が効く布地を使うなど、妊婦の体型の変化にも対応して、美しいボディラインを演出してくれるのだとか。

 「妊娠している新婦が着用するドレスとしては、これまではフリーサイズのものがありました。それと比較すると着用感がすごく良いことや、妊娠7ヶ月程度まで対応可能なので、衣装合わせから挙式日までの期間が長くても安心できることなどがお客様に喜ばれているポイントですね」(ワコール・ブライダル営業部部長・谷岡正樹さん)と市場の反応も上々の様子。

 またその他の業界でも、「できちゃった婚」カップルに向けたサービスが生まれているようです。挙式会場となるホテルでは、「おめでた婚」プランと称したメニューを用意。つわりの時など、妊婦が嫌がる臭いに配慮した特別な食事を提供しているホテルも登場。また保険業界では、新婚旅行などで海外に行った時の補償を、妊娠早期の子宮外妊娠や流産などにも適用した保険プランを用意する会社が登場するなど、新しいブライダル商戦が繰り広げられているんです。

 ブライダル関連の業界でひとつのマーケットとして認知され始めた「できちゃった婚」カップル。今後どのような商品、サービスが登場してくるのか、注目です。(太田健作/verb)