手足口病:報告総数2018-2019比較

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全国的に流行が拡大中の手足口病。国立感染症研究所が30日に公表した最新の患者数統計によると、15日から21日までの1週間に全国3000の医療機関から報告された患者数は3万8000人をわずかながら超えた。前週の約4万人からは減ったものの前々週の約3万1000人を超えて高止まりしている。昨年同期との比較では6倍以上、過去5年間の平均との比較でも7月は3倍前後の人数となっている。

1医療機関あたりの患者数は全国平均で12.01人。1981年の統計開始以来最多となった前週の12.67人からは減ったものの、大流行した2011年のピークを依然として上回る水準だ。都道府県別では、合計数は人口の多い東京、埼玉、神奈川などが上位に並ぶが、1医療機関あたりの人数では埼玉が22.99人と最も多く、福島で21.06人、山形で20.41人、富山で20.07人、愛媛で19.24人と続く。

手足口病にはワクチンや治療薬がない。ウイルスの型は複数あるため繰り返し発症することもあり、特に乳児の場合、口の中に水疱があると水分の経口摂取が十分にできず脱水症に陥ることもある。くしゃみなどの飛沫や便を通じて感染するため保育施設などで集団感染が起こりやすく、厚生労働省は手洗いやうがいの徹底のほか、保育園や幼稚園などではタオルを共用しないよう予防を呼び掛けている。

【参考】

国立感染症研究所: 手足口病とは
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/441-hfmd.html

厚生労働省: 手足口病に関するQ&A
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/hfmd.html

医師・専門家が監修「Aging Style」