1/14フィンランドの小さな田舎町、エケナスの近くで育ったフォトグラファーのクリストファー・リランダー。彼の作品には、木々や花咲く植物、鳥、オオカミなど、若いころに故郷で目にした自然のモチーフが多く使われている。「NEONLAND」シリーズは、そうした写真と、香港の色鮮やかな街並みを組み合わせたものだ。 2/14これまでの彼のスタイルとは異なる「NEONLAND」シリーズ。スカンジナビアの自然と、香港のストリートという対照的な風景を重ね合わせている。 3/14「大都市で仕事をしたことはありませんでした。子どものころから見慣れた風景と、新しいものを組み合わせるのは、刺激的でした」とリランダーは語る。 4/14この作品では、手つかずの森林風景に、ネオンがぎらぎらと輝き目まぐるしく移り変わる都会の光景が重ねられていた。「Photoshop」を使うのではなく、どれもカメラによって制作されている。 5/14まずは、フィンランドやスウェーデンの森を夜に撮影した。このとき、さまざまな色のストロボを使って、木々を照らし出すようにしている。それから香港で撮影をおこない、カメラ側で画像を重ね合わせた。 6/14香港を選んだ理由は、広く知られている幻惑的なネオンサインだ。しかし、そんなネオンサインは、よりエネルギー効率のよいLEDを使うよう求める政府の新たな規制によって、急速に姿を消しつつある。 7/14香港のネオンサインについて、「色がとても美しいし、形も芸術的で美しく、面白みがあります」と、リランダーは語る。 8/14リランダーは香港に1週間滞在し、背景写真と合わせるのにうってつけのロケーションを探して回った。 9/14ポストプロダクションで、デジタルな手法による多重露光を試してみたこともあったが、カメラだけで制作するやり方のほうを気に入っているという。 10/14「カメラだけで多重露光撮影することは、外に出て写真を撮っているときに制作活動することです」とリランダーは語る。 11/14カメラ側の多重露光撮影の場合、「最後の多重露光撮影が終わった瞬間、基本的にはそこでやり遂げたことになります」と、リランダーは話す。「Photoshopでは色を調整したりトリミングをしたりするだけです」 12/14多重露光撮影のプロセスから、予想外のヴィジュアルが思いがけず生まれるのも魅力という。 13/14「多重露光撮影の場合、完全にはコントロールできません」と、リランダーは言う。「そこが楽しめるところです。いまは完璧さが重視されすぎていますから」 14/14撮影には、映像制作者のジョン・リュンクヴィストが同行し、プロジェクトの記録をおこなった。リュンクヴィストによる印象主義的な4分間の動画は、リランダーの写真を別の角度からうまく補完している。

写真家のクリストファー・リランダーは、フィンランドにある小さな田舎町のエケナス付近で育った。彼の写真には、幼いころからそこで目にしてきた自然のモチーフである木々や花を付けた植物、鳥、オオカミなどが写っている。

「香港の街に“雪”が降る──北欧の森にネオンが浮かぶ幻想的な風景は、「多重露光撮影」でつくられた」の写真・リンク付きの記事はこちら

だが、最新の作品では、こうした故郷の風景からは遠くかけ離れたヴィジュアルが写し出されていた。多重露光撮影によって、香港のストリート風景にスカンジナヴィアの森を重ね合わせているのだ。

「大都市で仕事をしたことはありませんでした」と、リランダーは言う。「子どものころから見慣れた風景と新しいものを組み合わせるのは、刺激的でしたね」

こうしてシュールなコラージュが完成した。この作品では、手つかずの森林の風景に、ネオンがぎらぎらと輝き目まぐるしく移り変わる都会の光景が重ねられていた。「Photoshop」は使わずに、どれもカメラだけで制作されている。

予測できない楽しさ

リランダーは、まずフィンランドやスウェーデンの森を夜に撮影した。さまざまな色のストロボを使って木々を照らし出すようにしたのだ。それから香港に1週間滞在し、背景にする木々の写真に重ね合わせるのにうってつけのロケーションを探して回ったという。

香港を選んだ理由は、広く知られている幻惑的なネオンサインだ。「色がとても美しいし、形も芸術的で美しく、面白みがあります」と彼は語る。しかしながら、こうしたネオンサインは、よりエネルギー効率のいいLEDを使用するよう求める政府の新たな規制によって、急速に姿を消しつつある。

このプロジェクトを記録するため、リランダーは撮影中に映像制作者のジョアン・リュンクヴィストに同行してもらった。リュンクヴィストが制作した印象主義的な4分間の動画は、それそのものがアート作品となっており、リランダーの写真を別の角度からうまく補完している。

ポストプロダクションで、デジタルの手法を通じて多重露光を試してみたこともあった。だが、カメラ撮影だけで写真を生み出すやり方のほうが気に入っているという。その理由をリランダーは、こう説明する。

「カメラだけで多重露光撮影することは、外に出て写真を撮っているときに制作活動する、ということです。最後の多重露光撮影が終わった瞬間、基本的にはそこでやり遂げたことになります。一方で、Photoshopでは色を調整したりトリミングをしたりするだけです」

こうしたプロセスから、予想外のヴィジュアルが思いがけず生まれるのも魅力という。「多重露光撮影では、完全にコントロールすることはできません。そこが楽しめるところです。いまは完璧さが重視されすぎていますから」