Webブラウザ「Firefox 67」の正式版が公開されました。ページのロード速度が大幅に向上したほか、マイニングスクリプトをブロックしたり、フィンガープリントをブロックして追跡されないようにするなどのセキュリティ機能も強化されています。

Firefox 67.0, See All New Features, Updates and Fixes

https://www.mozilla.org/en-US/firefox/67.0/releasenotes/

Latest Firefox Release is Faster than Ever - The Mozilla Blog

https://blog.mozilla.org/blog/2019/05/21/latest-firefox-release-is-faster-than-ever/

◆様々な動作が高速化

今回のアップデートでは「速さ」に重点が置かれており、なかには実行速度が40%から80%も上がった機能も存在するとのこと。



タスクを最適に実行するために、Firefox 67では以下の3つの機能が搭載されています。

・使用頻度の低い機能の優先度を落とす

ページを描画する際の処理を見直し、いくつかの機能を遅延させることでページの描画速度が向上しています。例えばオートフィル機能がページに入力フォームがある場合にのみロードされるようになったり、ページが表示されてから何秒か待って動作を行うタイマー関数の実行優先度を下げたりといった内容が含まれています。

・メモリ不足の場合に放置されているタブをアイドル状態に

PCの空きメモリが400MBを切った場合、長い間利用されていないタブがアイドル状態になりメモリを解放します。アイドル状態のタブに移動するとページがリロードされ、再びブラウジングできるようになります。

・カスタム機能のロードを高速化

テーマや拡張機能を導入した際の起動がより高速に行われるようになります。

◆プライバシー保護機能が強化

Firefoxは公式でFacebookのトラッキングを防止するためのアドオンを提供するなどプライバシー保護に力を入れていますが、Firefox 67で新たなプライバシー保護機能が追加されました。

・ユーザーを追跡する「フィンガープリント」とマイニングスクリプトをブロック可能に

2019年4月9日にアナウンスされていた通り、違うブラウザを利用していても同一人物だと識別できる技術「フィンガープリント」、およびサイト閲覧者のCPUパワーを利用して仮想通貨のマイニングを行うスクリプトをブロックする機能が実装されました。

この機能を利用するには、アドレスバーの「i」アイコンをクリックして「コンテンツブロック」の項目の右にある歯車マークをクリックします。



「コンテンツブロッキング」の設定画面が開くので、設定を「カスタム」にし、「暗号通貨マイニング」と「フィンガープリント採取」の項目にチェックを入れればOK。



・プライベートブラウジング機能の向上

パスワード保存機能が通常サイトと同様に機能するようになり、毎回パスワードを入力する必要がなくなります。また、特定のアドオンだけを有効することが可能になります。プライベートウィンドウで使いたいアドオンを右クリックし、「拡張機能を管理」をクリック。



管理画面が開くので「プライベートウィンドウでの実行」で「許可する」を選択すればOKです。



◆スクリーンショットサーバーが停止予定

Firefox 56からスクリーンショット機能が搭載されていましたが、Firefox 67以降は公式のスクリーンショットサーバーに保存することができなくなります。数か月でサーバーが停止するとのことなので、データを残しておきたい場合には早めにダウンロードする必要があります。

そのほか、新元号「令和」に対応するためにフォントや日付が調整されています。