(左から)メルボルン・ビクトリーGKトーマス、MF本田【写真:Getty Images】

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26歳のGKトーマス、ビルドアップに関して本田から練習中のアドバイスを告白

 メルボルン・ビクトリーのMF本田圭佑はオーストラリア挑戦1年目の今季、開幕6試合で4得点3アシストと圧巻のパフォーマンスを見せている。

 同僚GKは本田からアドバイスを受けたことを明かし、「試合に真の情熱を注いでいる」と絶賛している。

 今季開幕から全試合ゴールに絡んできた本田。1日のAリーグ第6節ウェスタン・シドニー・ワンダラーズ戦(4-0)では、前半11分に左サイドのペナルティーエリア手前から上がったオーストラリア人MFテリー・アントニスのファーサイドへのクロスに反応し、強烈なヘディングシュートで3試合連続ゴールを奪ってみせた。

 衛星放送「FOXスポーツ」オーストラリア版によれば、アシスト数(3)、ゴール関与数(9)、シュートアシスト数(18)、アタッキングサードのパス成功数(109)、クロスチャレンジ数(51)、エリア侵入数(61)の6部門でリーグトップの数字をマーク。ゴール数(4)もチームトップにしてリーグ3位と攻撃を牽引している。

 もっとも、本田が存在感を示しているのはデータ上だけではない。オーストラリア紙「シドニー・モーニング・ヘラルド」は、「ホンダはビクトリーの全ての水準を上げようとしている――GKでさえも」と特集。26歳のオーストラリア人GKローレンス・トーマスが持つ本田との練習でのエピソードを紹介している。

「一つ、ある例を挙げようと思う。確か3回か4回だったと思うけど、試合の2日後に彼が僕の元にやってきて、『ローレンス、後方でのプレーについて、君の持っているオプションをトレーニング後に話し合いたい』と言ってきたんだ。それから彼は僕の後ろに30分ほど留まり、僕がどのようにプレーするべきか、模索すべきいくつかのオプションを提供してくれた。彼は試合に真の情熱を注いでいて、信じられないほどに鍛錬されている。クラブの全員が彼の頭脳を理解することができれば、トップレベルに到達するためにどのようにすればいいのかを学べるだろうね」

朝5時台に起床し、英語を2時間勉強 「彼は僕よりも上手なエッセイを書ける」

 中盤でゲームをコントロールする本田は、ビルドアップに関してトーマスに意見をぶつけ、アドバイス。そのビジョンを実現できれば、トップレベルへの道が見えてくるとトーマスは感じているようだ。

 こうした密接なコミュニケーションの背景には、本田の陰ながらの努力があるという。

「どのようにしてそんなにすぐに英語を習得することができたのか、彼に尋ねたんだ。どうやら、朝5時半か5時45分に起きて、2時間英語を勉強していたようだよ。彼はおそらく僕よりも上手なエッセイを書けるね。スピーチも素晴らしいんだ。毎日、トレーニングの前と後に彼が努力しているのを目にしている。若手にとって素晴らしいお手本だ。そして、僕にとってもね。彼とここでプレーできることは圧倒的な特権。彼の存在はフィールドの全てと言っていい。礼儀正しく、規律も重んじている」

 加入1年目ながら、王者メルボルン・Vで周囲からの信頼を勝ち取っている本田。もはやチームにとって不可欠な存在と言っていいだろう。(Football ZONE web編集部)