「おでん缶」を買おうとチチブデンキ店頭の自販機前に並ぶ人の列。(撮影:関口哲司)

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師走を迎えた街ではクリスマスムード一色のこの季節、秋葉原に一つの異変が巻き起こっていることをご存じだろうか?

 アキバ名物に「おでん缶」というものがある。古くから秋葉原のチチブデンキ(本社・東京都千代田区、小菅英臣社長)前の自販機で買えるアキバの冬の名物だ。ふだんは、秋葉原を訪れた「記念」や「おみやげ」に購入されることが多かった「おでん缶」に、アキバブームとともに今、大きな異変がおきている。

 この冬、「おでん缶」を求めて、一般人や女性が多数チチブデンキの店頭に並べられた自動販売機に押しかけ、完売が相次いでいる。客は「おでん缶」が完売になってもあきらめず、完売後に補充された「おでん缶」が保温完了になると、瞬く間に完売になる。

 「おでん缶」は、業務用・給食用缶詰やレトルト食品の製造、輸入、販売を手掛ける天狗缶詰(本社・名古屋市中区、伊藤圭一社長)から発売されており、大根入りとつみれ入りが200円(税込み)、牛すじ入りが250円(税込み)の3種類。

 天狗缶詰は、1923年の創業以来ウズラの卵の缶詰を製造・販売しているが、85年ごろから「冬場の自販機の売り上げ増に結びつく商品を」という自販機ベンダーの要望にこたえて、「おでん缶」の製造を始めた。一方、50年代に秋葉原で真空管などのラジオ部品の販売からスタートしたチチブデンキも、冬期の自販機の売り上げアップを検討しており、ベンダーの口利きで12年前から「おでん缶」を取り扱うようになった。

 それが、つくばエキスプレスの開通、ヨドバシカメラの進出などに代表される今年のアキバブームに乗って、11月から売り上げがうなぎ上り。「当時は白物家電全盛期で、秋葉原は家電量販店ばかりでコンビニもなく、冬場に小腹が空いたときにピッタリの商品だった」と販売開始当時を振り返るチチブデンキの小菅社長も、この爆発的な売れ行きに驚いている一人。最近1カ月の売り上げが自販機、店内販売と合わせると約1000万円。昨年までの1年間の売り上げを1カ月でクリアした計算になる。

 電車男ファッションに身を包み、ヨドバシを見て、チチブデンキで「おでん缶」を買って、メイド喫茶に行く―というのが最新のアキバのトレンドだ。【了】

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