秋に発症しやすい寒暖差アレルギーとは?

写真拡大

 気温差の大きな季節に発症しやすい「寒暖差アレルギー」について先日、ネット上で話題になりました。毎日の気温の変化が激しい秋は、寒暖差によって自律神経が乱れやすくなり、鼻の不調などさまざまな症状が現れることがあるようです。

 ネット上では「10月に入って体調が不安定」「花粉症でもないのに鼻水が止まらない」「風邪とどう違うの?」など、さまざまな声が上がっています。寒暖差アレルギーの症状や見分け方について、医師の市原由美江さんに聞きました。

医学的には「血管運動性鼻炎」

Q.寒暖差アレルギーとは何でしょうか。

市原さん「寒暖差アレルギーは、医学的には『血管運動性鼻炎』と呼ばれます。アレルギー性鼻炎とは異なり、非アレルギー性鼻炎に分類され、検査してもアレルギーの原因物質に対する抗体が検出されません。

症状としては、くしゃみや鼻汁、鼻閉など、アレルギー性鼻炎に似た鼻症状を認めます。急な温度差により、自律神経の働きが乱れることによって鼻粘膜の血管が過敏に反応し、鼻症状が起こると考えられています」

Q.寒暖差アレルギーを発症しやすい人の特徴はありますか。

市原さん「性別では女性、年齢では30〜40代に発症しやすいという研究結果があります。精神的、あるいは身体的なストレスでも自律神経は乱れるため、発症しやすくなります。また、元々アレルギー性鼻炎がある人も発症しやすいです」

Q.症状が似ている風邪や花粉症との違いや見分け方はありますか。

市原さん「風邪は鼻汁や鼻閉などの鼻症状だけのこともありますが、発熱やのどの痛み、咳(せき)や痰(たん)が出るなど他の症状を伴うことが多く、1〜2週間程度で治るのが一般的です。

花粉症はアレルギー性鼻炎なので、アレルギーの原因物質に対する抗体が検出されます。また、しばしば目のかゆみを伴いますが、寒暖差アレルギーは鼻症状だけです」

Q.寒暖差アレルギーの治療法や診療科について教えてください。

市原さん「診療科は耳鼻咽喉科です。アレルギー性鼻炎と同じく、抗アレルギー薬や点鼻薬などが使われます」

Q.寒暖差アレルギーの予防法はありますか。

市原さん「寒暖差によって自律神経が刺激されて症状が出るため、普段から温度差をなるべくなくすように衣服などで調整することです。夏場はクーラーの効いた部屋に入る時、冬場は外に出る時などは、特に注意しましょう」