仮想通貨 Sakura bloom(SKB)を運営する NEGTECは、仮想通貨による寄付型クラウドファンディングのポータルサイト「DREAM KICKER」(https://dream-kicker.com/projects/001/)を開設。

「CD34 陽性細胞」の再生医療に必要な機器の導入を加速させる。

骨髄や血液中に存在する未分化な細胞であるCD34 陽性細胞。この細胞を利用した再生医療は、糖尿病や加齢現象による下肢血管の動脈硬化を原因とする重症下肢虚血(CLI)や難治性骨折に対し「極めて有効」とされている。

NEGTECは、指定されたコインアドレス宛に、誰でも SKB が寄付できる仕組みを構築。

同社は、寄付された SKB が日本円換算で機器の購入代金に達した段階で、機器導入を予定している医療機関へ SKBを寄付する。

SKB の寄付を受けた医療機関は、仮想通貨取引所で法定通貨に交換し、医療機器の販社から CD34 陽性細胞を使った再生医療機器を購入する。

日本の再生医療をグローバル化

8月30日、都内で開かれた発表会見には、NEGTEC 廣野高一代表をはじめ、チャットドクター 草野正臣代表、パンクラス 酒井正和代表、MLB サンディエゴ・パドレス環太平洋オペレーション Acey Kohrogi 部長、ワールドプラス 関東統括部 赤瀬徳部長が登壇。

廣野代表は、「仮想通貨の寄付型クラウドファンディングで、近い将来、日本の再生医療がグローバル化するはず。送金手数料なども省けるため、日本の再生医療の進化と同時に、こうした寄付型クラウドファンディングが普及すれば、世界中から日本の再生医療に注目が集まるはず」と伝えた。

また草野代表は、「医療の過疎化が広がっている。これをどう解決するか。今回の仮想通貨による寄付型クラウドファンディングのように、新しいチャレンジができる環境がまだまだ少ない。もっとチャレンジできる場なんだということを示していきたい」と語った。

日本の医療事情を変える

CD34 陽性細胞を利用した先端医療機器は、厚生労働省の先駆け審査制度の対象。

先駆け審査制度は、医薬品と医療機器、診断薬と再生医療製品を対象に、臨床試験(治験)や承認手続きを優先して受けられる制度。

海外に比べ、審査期間が長い日本の医療事情を変える動きのひとつで、審査機関の短縮や、命に関わる重篤な病に苦しむ患者の治療の選択肢を広げることを目的に制定された。

50台以上の機器導入をめざす

またNEGTEC は今回、再生医療に使用する機器購入にむけた寄付を募るのに加え、ミルテニーバイオテク社の再生医療機器『CliniMACS』(骨髄や血液中から CD34 陽性細胞を抽出する機器)を、東京都江東区の大島駅前クリニックに寄付。

「少しでも医療機関への導入促進につなげたい。今回の寄付型クラウドファンディングのポータルサイトを開設し、将来的に50台以上の同機器導入をめざす」(NEGTEC)

同社は今後、厚労省が唱える「未来に向けたパラダイムシフトビジョン」にむけ、ブロックチェーンやスマートコントラクト、開発中の新システムなどを加速させる構え。

記者発表に登壇したパンクラス 酒井代表は、「格闘技界やスポーツ界と、こうしたクラウドファンディングがタッグを組んで、アクションを起こしていくことが大事。これまでにない新しいコラボレーションで発信していきながら、再生医療を加速させていくことも大事だと思う」と伝えた。