青山霊園の外国人墓地(撮影:徳永裕介)

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東京都港区の青山霊園で先月まで、「墓地の整理のために無縁墳墓等について改葬することとなりました」と書かれた石原慎太郎都知事名の告知看板が各所に立てられていた。同霊園内の外国人墓地では、朝鮮独立の指導者、金玉均など多くの著名外国人が眠っているが、約6割が“無縁仏”になっている。都は基本的に保存する方針だが、広場をつくる計画もあり、永続的な保存を不安視する声が出ている。

 霊園を所管する都が告知看板を立てたのは04年10月。1年以内に縁者が申し出ることを求めた。1平方メートルあたり年590円の管理費を5年以上滞納している墓が対象になり、外国人墓地では全129区画の内、78区画が該当。金玉均のほか、立教学院総理を務めたアーサー・ロイド、帝国ホテル総支配人だったカール・フライクなどの墓にも告知看板が立てられた。
 
 青山霊園は都心の一等地に広大な敷地を有するため、早くから公園化を求める声があった。東京都公園審議会は2002年、霊園の管理に関する答申を提出。霊園と公園が共存を目指して霊園の各所に広場を設けることになり、外国人墓地の一角にも広場が作られる計画がつくられた。05年6月には石原知事が定例会見で「顕彰碑をつくったらいいんじゃないか」と発言。都は墓の権利関係を整理するため告知看板を立てたが、「基本的に霊園は使用者が管理するもの」(寺内定雄・都霊園課長)としてインターネットなどでの告知はしなかった。

 在日外国人らでつくる市民団体「国際遺産を守る会」(東京都港区)ではホームページ上に埋葬者の名前や墓石に掘られた文などを掲載し、情報提供を呼び掛けたものの、期限までに名乗り出た縁者はゼロ。都では9月、学校の創設者など一定の条件を満たせば、親族以外にゆかりのある法人も使用権を受け継ぐことができるよう霊園条例の解釈を変更し、大学・ホテル・教会などおよそ10団体が継承を申し出た。相続人がいない場合は所定の手続きを経て、来年3月ごろまでに都に使用権が移る。

 寺内霊園課長は「外国人墓地は歴史的墓所空間として残していく方針。広場等をつくるというのは、あくまでも計画で詳細は決まっていない」と説明しているが、「守る会」では「申し出のなかった墓は、所有権・使用権ともに都が持つことになり、『基本的に残す』と口頭で言われても、実際に50年先100年先のことを考えると心配」と懸念している。【了】

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