阪神の新外国人、ロサリオ【写真:荒川祐史】

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オリックス以外の球団が外国人5選手と契約済み、パ・リーグは…

 3月も半ばとなり、プロ野球界もオープン戦が続々と消化されていっている。開幕に向けた重要な実戦の舞台となるオープン戦も、残りちょうど半分ほど。選手たちは開幕に向けて状態を上げていき、首脳陣は開幕1軍を争う選手たちの見極め、ふるい落としがいよいよ佳境になっていく。

 開幕1軍を争うのは、若い選手だけではない。助っ人と言われる外国人選手もまた厳しい競争に身を置いている。NPBの外国人枠は4枠。投手だけ、野手だけで4枠を使うことは出来ず、3+1ないし2+2の組み合わせとしなければならない。近年のNPB球団は、怪我人などの有事への備えもあって、助っ人外国人を枠を超える5人、6人と契約することが多い。

 今季、支配下で在籍する助っ人が、外国人枠ちょうどの4人なのはオリックス1球団だけ。他の11球団は5選手以上と契約しており、楽天は7選手が在籍している。果たして、その中から開幕1軍の座を掴めるのはどの選手か。12球団の外国人選手事情から、開幕1軍の外国人枠争いを、◎を確実、○が有力、△を微妙として占ってみた。

【ソフトバンク】
◎サファテ、モイネロ、バンデンハーク、デスパイネ
△グラシアル、スアレス

 2年連続日本一を狙う王者ソフトバンク。4枠の外国人枠はこの面々となることが確実だ。新助っ人のグラシアルが左肋間筋・腹斜筋損傷を負い、全治3〜4週間の見込み。そこから実戦出場などを経ていくことを考えれば、開幕には間に合わないだろう。
 
【西武】
◎カスティーヨ、ワグナー、ウルフ、メヒア
△郭俊麟

 昨季の2位から頂点を目指す西武も4枠はほぼ確定だろう。新助っ人のカスティーヨはオープン戦初登板となったソフトバンク戦で好投するなど、先発として楽しみな存在。メヒアの状態が気がかりだが、通算115本塁打をマークしている主砲はさすがに1軍から外れることはないだろう。

【楽天】
◎ハーマン、ウィーラー、ペゲーロ、アマダー
△宋家豪、コラレス、ディクソン

 支配下だけで7人の外国人選手を抱える楽天。現状では昨季から変わらずセットアッパーのハーマン、そして中軸を担うウィーラー、ペゲーロ、アマダーが開幕1軍に名を連ねそう。コラレスがオープン戦で先発登板のチャンスをもらっているが、現状ではこの4選手を上回るインパクトは残せていない。

【オリックス】
◎ディクソン、ロメロ、マレーロ、アルバース

 オリックス在籍の助っ人は外国人枠ちょうどの4人。昨季もプレーしていたディクソン、ロメロ、マレーロは実績もあるだけに不動。新助っ人のアルバースも、ここまでのオープン戦では好投を見せており、順当に先発ローテに入ってきそうだ。

【日本ハム】
◎トンキン、レアード
○アルシア、マルティネス
△ロドリゲス

 大谷翔平、大野奨太ら主力がチームを去った日本ハム。外国人もレアードを除き、顔ぶれが一新された。レアードと、勝利の方程式を担うであろうトンキンは当確。残る2つの枠をどう使うか。打線強化を狙ってアルシアを入れれば、先発候補のロドリゲス、マルティネスのどちらか一方は落選。両投手を入れると、アルシアが落選となる。17日のヤクルト戦ではマルティネスが5回5失点、後を受けたロドリゲスが3回2失点と決め所を欠く結果だった。

【ロッテ】
◎ドミンゲス、シェッパーズ
○ボルシンガー
△チェン・グァンユウ、ペゲーロ、オルモス

 メジャー42本塁打の実績を持ち、主砲として期待されるドミンゲス、クローザー候補のシェッパーズは当確。先発候補に挙がるボルシンガーも有力だ。オルモスはオープン戦2試合で防御率7.71で2軍落ち。虎視眈々と狙うのがBCリーグ富山からテスト入団したペゲーロ。2月のソフトバンクとの練習試合で本塁打を放ち、3月10日のイースタン春季教育リーグの日本ハム戦でもソロ。井口資仁監督が打線強化を優先させれば、入ってくる可能性も。

阪神の4人はほぼ確定? セ・リーグは…

【広島】
◎ジョンソン、ジャクソン
○エルドレッド、メヒア
△カンポス、バティスタ

 セ・リーグ3連覇を狙う広島。ローテを担うジョンソンとセットアッパーのジャクソンは当確。残る2枠の競争が熾烈だ。昨季までの実績からエルドレッドの開幕1軍は有力だろうが、オープン戦で強烈にアピールしているのがメヒア。3試合連続本塁打を放つなど9試合で32打数11安打3本塁打、打率.367と結果を残している。新助っ人のカンポスはオープン戦で好投を続けていたが17日の楽天戦で1回2失点と課題を残した。バティスタは死球による骨挫傷で遅れをとっている。

【阪神】
◎マテオ、ドリス、メッセンジャー、ロサリオ
△モレノ、呂彦青

 昨季2位に終わった阪神は4枠の外国人枠はほぼ固まっていると言える。開幕投手に決まっているメッセンジャー、そして鉄壁のリリーフ陣を形成したマテオ、ドリスの2人のリリーバーは今季も不可欠な存在。新助っ人のロサリオはオープン戦では苦戦しているものの、今季の打線の軸となるだけに外せない。モレノは枠の問題もあり、マテオ、ドリス、メッセンジャーの3人に故障などがあった場合のバックアップ的な役割となるだろう。

【DeNA】
◎パットン、ロペス
○バリオス、エスコバー
△ソト、ウィーランド

 外国人の競争が熾烈なチームの1つがDeNAだろう。セットアッパーのパットン、主砲ロペスは今季もチームの中心。ウィーランドが右ひじ痛を訴えており、残る2枠を新助っ人のバリオス、ソト、そして昨季途中から在籍しているエスコバーで争う。現状ではバリオスとエスコバーが有力か。先発候補のバリオスはオープン戦で先発した2試合ともに好投。ソトも打率.317、2本塁打と結果を残しているが、内野は一塁・ロペス、大和、宮崎、倉本でほぼ固まっている。

【巨人】
◎マシソン、ゲレーロ、マギー
○カミネロ
△ヤングマン

 2014年以来、4年ぶりのリーグ制覇を狙う巨人は5人の外国人を抱える。セットアッパーのマシソン、主軸のマギー、そして補強の目玉で、中日で昨季本塁打王に輝いたゲレーロは当確。残り1枠は、現状では昨季の守護神カミネロが有力か。マイコラスの後釜として獲得したヤングマンが13日のソフトバンク戦で5回10安打5失点と結果を残せず、競争から後退。カミネロも翌14日に1回で3点を失ったが、昨季の実績から1歩リードしているか。

【中日】
◎ジー、ビシエド
○アルモンテ
△ガルシア、モヤ

 先発ローテを担う新助っ人のジー、主砲のビシエドは当確。アルモンテも開幕1軍入りは有力だろう。残り1枠を先発のガルシア、大砲のモヤのどちらになるか。モヤはオープン戦打率1割台に沈んでおり、さらに先発ローテ候補の投手たちの多くが結果を残せていない現状を考えれば、13日の西武戦で3回1安打無失点と好投したガルシアが、最後の枠に滑り込む可能性が高いか。

【ヤクルト】
◎ブキャナン、ハフ、カラシティー、バレンティン
△アルメンゴ

 最下位からの巻き返しを図るヤクルトは今季5人の助っ人外国人が在籍。中日から移籍したアルメンゴ(中日時代の登録名はジョーダン)がキャンプ中に上半身のコンディション不良で離脱したため、上記の4人の開幕1軍が確実だろう。昨季から在籍する先発のブキャナン、バレンティンは今季もチームの核。ハフもオープン戦で好投している。(Full-Count編集部)