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 2月9日に開会式が行われ、連日盛り上がりをみせる平昌五輪

 テレビでも各局が生中継や特番を組んで放送しているが、そのぶんあおりを食う裏番組が、どうしても出てきてしまう。

 たとえば12日。高木美帆が銀メダルを獲得したスピードスケート女子1500メートルと、高梨沙羅が銅メダルを獲得したジャンプ女子個人ノーマルヒルの生中継が、並行して放送されていた。しかも、2選手のメダル獲得の瞬間は、ほぼ同時刻のこと。日本中が大いに盛り上がった。

 裏番組にあたる月9ドラマ『海月姫』(フジテレビ系)第5話の視聴率は5.3%。先週の7.5%から大きく下がり、自己ワーストとなった。さらに競技が最も盛り上がった22時台になると、同じくカンテレ・フジテレビ系のバラエティ『世界の村のどエライさん』が、2.1%という、これまた自己ワーストとなる視聴率を記録してしまった。

 同時間帯に放送された『報道ステーション』(テレビ朝日系)も、この日は4.4%と、通常10%超えの番組が苦戦を強いられた。ほかにも、10日にレジェンド・葛西紀明が出場したノルディックスキー・ジャンプ男子個人ノーマルヒルの中継と重なった、ドラマ『もみ消して冬〜わが家の問題なかったことに〜』(日テレ系)第5話の視聴率が7.1%で前週から3.9ポイントの大幅ダウンを記録した。

「オリンピックやワールドカップ、日本シリーズなどに視聴者が集中することはよくありますが、特にドラマの視聴者層は一定の固定客が多いので、ここまでかぶっているとは思いませんでした」

 と、あるテレビ関係者。たとえ裏番組のドラマを見ていたとしても、メダル獲得の速報が流れれば、チャンネルを変える視聴者もいるからなおさらだ。

 12日のスピードスケートは平均13.0%、スキージャンプが24.8%、そして14日のスピードスケート女子1000メートルでは、瞬間最高33.0%(平均でも24.9%)をたたき出し、裏番組は完全に“五輪砲”をくらったかたちだ。

 この五輪などに視聴者が偏る現象は、近年また強まっている傾向があると、ある放送作家は言う。

「今回の裏番組を通常の週に見ていた層には2種類あります。ひとつは、特に見るものがなくて、消去法で見ていたという層。その層は、単純にいつも見ているものよりもっと面白いものがやっているからそっちを見る。『報ステ』の視聴者は完全にそうですね」

 もうひとつの層は、普段ドラマを見ている視聴者層だ。

「こちらは、基本的には好きでその番組を見ている、積極的な層です」(同放送作家)

 その多くが、楽しみにしていたドラマから五輪中継に流れたのはなぜか。

「こういった特別感は、“一緒に見たい!”という気持ちが働く。一緒にというのは、本当に誰かと一緒にということだけでなく、SNSやネット掲示板などで同時に盛り上がる意味合いも強いです。ドラマも見たいけど、ライブとして盛り上がるのは、やはりオリンピックということだと思います」

 つまり、いつも見ているドラマは、録画して見ようということだ。

 この先も、羽生結弦らが出場する男子フィギュアやレジェンド・葛西のラージヒルなど、注目種目はまだまだ続く。五輪開催期間中は、視聴率が大幅ダウンしても仕方ないことではある。

 しかし、五輪終了後に、開催前と同じ水準の視聴率に戻るものなのだろうか。前出の放送作家は言う。

「一度、視聴習慣を途切れさせてしまったものを戻すには、やはりその番組の魅力によります。録画してそのまま見なくなってしまうこともありますし、熱をどこまで保てるのかというところにかかっています」

 五輪終了後、同程度の水準に戻すことができた番組は、良コンテンツと判断していいともいえそうだ。

<取材・文/渋谷恭太郎>