「東京モーターショー」に出品する日産のコンセプト車「ピボ(Pivo)」(撮影:吉川忠行)

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日産自動車<7201>は30日、東京都中央区の日産銀座ギャラリーで、来月21日から千葉市の幕張メッセで開催される「第39回東京モーターショー」に出品するコンセプトカー『ピボ(Pivo)』を発表した。同ギャラリーで10月1日から2日まで一般公開も行う。

 『ピボ』は、都市で生活する若い女性をターゲットにし、「かわいい」という価値観を強調したという。ライト、スライドドア、窓など全体的に丸く、カタツムリのようなデザインの車体で、運転席の両肩から同乗者の顔を覗かせる座席ラインの3人乗り。全長2.7メートル、全幅1.6メートルと同社の主力小型車『マーチ』よりもさらに小さい。日産デザイン本部長の中村史郎常務は、発表会で「『かわいい』というのは世界から求められている価値観。10年後の『マーチ』がこんな形になっているかもしれない」と紹介した。

 「車の前と後ろという区別を取りはらった」(中村常務)という同車は、人が乗るキャビンのある車体上部が180度回転するので、バックやUターンなしで反対方向に走れる。小型リチウムイオンバッテリーを床下に搭載し、2つのスーパーモーターで車輪を直接駆動させるなど、同社の電気自動車技術を結集させたという。

 『ピボ』の発表に合わせ、世界的なアーティストである村上隆さんが展示会場をデザイン、「自然と人がどう共存できるか、という現状の答えを出した」(村上さん)という野菜畑を銀座のど真ん中に出現させた。同日、オリジナルキャラクターの『Pivoちゃん』も発表した村上さんは、中村常務との対談で「テクノロジーを“売り”にするほど日本という国はもう若くはない。『かわいい』は歳に関係なく、まだまだフレッシュにアピールできる文化だと思う」と語り、日産の掲げたコンセプトと同調した。【了】

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