先月下旬に米メキシコ湾一帯を襲ったハリケーン「カトリーナ」による被害で、米海軍が対テロリスト用に飼育していた「武装」イルカの訓練施設が破壊され、36頭のバンドウイルカがメキシコ湾に逃亡した可能性があることが分かった。英日曜紙オブザーバーが25日付(電子版)で報じた。専門家は、逃亡したイルカは睡眠剤を塗った矢を放つ「ダーツガン」を装備している可能性があるとし、ダイバーやサーファーが襲われる危険があるという。

  米海軍はイルカを軍事用に訓練していることは認めたが、イルカが逃亡したかどうかについてはコメントを拒否している。軍用イルカの逃亡が表面化したのは、海軍が、ミシシッピ州の沿岸部にある民間の水族館から逃げ出した8頭のイルカの捜索に協力し、捕まえたイルカは海軍の海洋学者が念入りに調査したあと、水族館に返還したことからだった。【了】