【試合後会見】欧州遠征2試合を振り返りハリルホジッチ「大きなライオンを倒すところまでいった」

写真拡大

▽日本代表は現地時間14日、ベルギー代表とアウェイで国際親善試合を戦い、0-1で惜敗した。日本代表を率いるヴァイッド・ハリルホジッチ監督が試合後にベルギー戦の総括、ブラジル戦を含めた欧州遠征2試合の総括、ロシア・ワールドカップ(W杯)本大会までの準備について語っている。

◆ヴァイッド・ハリルホジッチ監督(日本代表)

「コンバンワ。少し残念な試合だった。チームは良い試合をしたと思う。1人に4人が抜かれてもったいない失点をしてしまったが、それ以外はブラジル戦よりも良いゲームコントロールができた。攻撃面では得点できるチャンスがありながらもゴールに結びつかなかったことは残念だ。良い結果を求めて戦っただけに残念だ。このような結果になったが、ロッカールームでは『大きなライオンを倒すところまでいった』と祝福した。次はもっと良くなるだろう」

――ブラジス戦からあまり時間がない中で何か改善できた点は

「心理面でより良い準備ができた。選手たちはブラジル戦の後、ブラジルと対等とまではいかないが、戦えるということに気付いた。ブラジル戦の最初の20分はリスペクトし過ぎたところが問題だった。今日は最初から入りが良く、2〜3回のチャンスがあった。浅野に経験や冷静さがあれば得点が取れたと思う。試合全体を通して言えば、ブロックに関して高い位置でも低い位置でもオーガナイズできていた。我々が与えたアドバイスに対して、選手たちがリスペクトを持ってやってくれた。後はパスの部分で簡単にボールを失っていたことが心配だ。ラストパス、得点を取らせるパスなど、3対1の状況でフィニッシュまで行けたが良いチームならこれを決める。経験のない選手が多く、まだ伸ばすところはたくさんある。ただ、この2試合を通していろいろな結論が導き出せた。我々は別のトレーニングが必要であることを教えてもらった。W杯の本大会に向けてより良い準備ができると思っている」

――別のトレーニング、導き出された結論とは

「まずはこのチームに可能性を感じたこと。守備のところはブロックを作ればある程度のチームからでもボールが奪える。どんなチームからでもボールが奪えることを証明した。今度はボールを奪った後の冷静さをトレーニングしていかなければいけない。できるだけ早くボールを前に進める。背後にボールを導き出すこと。良いチョイス、良いパスをすることが大事になってくる。今日は本当に多くのチャンスがあった。そこは自信や経験が必要。ブラジル戦、ベルギー戦に初めて出た選手がいるが、相手の強さも含めて多くのチャンスがあった。負けたので満足はしていないが、成長するために学びに来た部分もある。その他にも私の頭の中には、伸ばしたい部分のアイデアがある。タクティック、メンタル、テクニックにおいてだ。個人で違いを見せつける選手が足りないとも思う。ブラジルには数名いて、ベルギーにもいる。彼らの両サイドは凄かった。こういう風に違いを生み出せる選手がまだ足りないと思う。そして特に点を取る部分。ただ、そうばかりも言ってられず、組織プレーでトップパフォーマンスで挑んでいかなければいけない」

――ブラジル戦が終わった後、選手間で守りに関する話し合いがあったようだが、監督から見てその話し合いの良い面を感じられたか

「戦術のところはみんなでトレーニングした。我々が与えたアドバイスを選手たちがしっかりと守ったということ。中をどうやって切って、外をどうやって消すのか。全て説明した。選手にも、みんなで話し合ってくれと伝えていた。1人が突破されると誰がカバーに入るのか、さらに誰がカバーするのかまで突き詰めた。毎試合、攻撃や守備の役割を完璧に理解して選手たちは試合に臨んでいる。個人の説明、それからチームの説明をする。彼らは完璧に役割を果たしてくれた。ただ、1人があれほどまでに3人も4人も突破してくるとは予想していなかった。今日はハイプレスとロープレスを使い分けた。また、フィジカル的にトップではない選手もいた。このようなリズムについてくるために、数名はコンディションを上げなければいけない。守備で満足するだけでなく、攻撃も必要だ。そういうトレーニングの部分をしっかりと伸ばしていきたい」

――W杯まで残り半年ほどだが、どのようにチームを完成させていくのか

「各個人にも話しているが、W杯の本大会に向けた準備はクラブでの取り組みが大事となる。次は3月に合宿があるが、まずはフィジカルの部分を上げて合宿に臨んでほしい。そこが上がれな、攻撃でも守備でももう少し戦術が使える。特に国内組。12月にトーナメントがあるが、そこでしっかりと準備して欲しい。この12月の中で国内組から代表に入るかどうかの決断をする。本当のトレーニングは本大会前の3週間で突き詰めていくつもりだ。その3週間でテクニック、タクティック、フィジカル、メンタル。それらすべてを上げていく。それから3試合を戦わなければいけない。もっとやらなければいけないことがある。ただ、6月で準備が始まるわけではない。今日から6月まですべてが合宿のようなものであり、クラブで全てをやってほしい。自分のパフォーマンス、個人的な部分を上げてもらいたいと思う。候補の選手たちとは毎日コンタクトを続けていきたい」

――長澤選手を先発で起用したがその評価を

「初めての試合にしては良かったと思ってる。たくさん走ってくれた。守備もたくさんしてくれたが、攻撃面でもう少し顔を出してほしいと思う。国内組の全員にも言えることだが、リズムについていけていない。(山口)蛍だけが、フィジカル的な能力が高いかもしれない。こういった試合のリズムに付いて行けるのは蛍で、他の選手はまだまだ。長澤に関しては今回はテストであり、このような簡単ではない相手に対してどのようなプレーを見せるか。私は満足している」