「解決策はそこしかない」 原口元気、天敵ブラジルから初勝利の秘訣は「苦しむ覚悟」

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ブラジル戦で劣勢の流れを想定、原口は「苦しまないと勝てない相手」と力説

 ヘルタ・ベルリンのFW原口元気は、ロシア・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選で日本代表史上初となる4試合連続ゴールの偉業を成し遂げるなど、本大会出場に大きく貢献した。

 バヒド・ハリルホジッチ監督も高く評価するウインガーは、10日の国際親善試合ブラジル戦に向けて「苦しむ覚悟」を強調している。

「イメージ的には90分間苦しむような展開になる。間違いなく苦しみますからね。でも、苦しまないと勝てない相手なので」

 FIFAランキング2位のブラジルは、世界最速で21大会連続のW杯出場を決めるなど、南米予選でも無類の強さを発揮した。さらに日本はブラジルと過去11試合を行い、戦績は0勝2分9敗(4得点31失点)。そんな天敵との激突を控え、原口は劣勢の流れを想定し、同ランキング44位の日本が金星を挙げるにはそれ相応の覚悟が必要になると力説する。

 ブラジル戦に向けた特別な準備はないと明かしつつ、チームメイトにも“苦しむ覚悟”を求めた。

「そうなる試合は何試合か経験しているので、あぁきついだろうなと思いながらいきます。でも楽してたら絶対に勝てない。(勝利の)可能性は普通の試合より小さいので、全員が苦しみながら、そこを目指してやるしかない」

「苦しむのは好きじゃない。でも…」

 ハリルジャパンで左ウイングを主戦場とする原口は、キレのあるドリブルで攻撃の急先鋒を担うだけでなく、ドイツ仕込みのハードワークで守備でも計算できる存在へと変貌を遂げた。今やチームに欠かせない一人となった男は、ブラジル戦を力量試しの試金石としてではなく、あくまでも勝利を追求する一戦と見ている。

「勝つことで唯一楽しめるかなと。そこのチャンスを窺いながらプレーしたい」と語る負けず嫌いなアタッカーは、だからこそ覚悟を決めているのだ。

「苦しむのは好きじゃない。まぁでも解決策はそこしかない」

 ブラジル戦で苦しむ覚悟を心に決めたアタッカーは、どんな劣勢でも粘り強く対応し、虎視眈々とゴールを狙う存在になりそうだ。

【了】

大木 勇(Football ZONE web編集部)●文 text by Isamu Oki

フットボールゾーンウェブ編集部●写真 photo by Football ZONE web