定位置失った「日本のエンペラー」本田 サウジ戦での逆襲誓う姿に豪州連盟も注目

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B組2位の座を争うオーストラリア 敵地サウジ戦に挑む日本の動向も注視

 オーストラリア代表は5日に、ホームでロシア・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選タイ戦を迎える。

 8月31日の日本戦に0-2で敗れたため、現在グループBの3位で、勝ち点16で並ぶ2位サウジアラビアに得失点差で2点のリードを許している。

 W杯自動出場権を獲得できる2位に入る確率を上げるためには、自らのタイ戦勝利とともに、日本が敵地でサウジアラビアから勝ち点を奪うことが求められるが、オーストラリアサッカー連盟(FFA)公式サイトはハリルジャパンで定位置を失った“エンペラー”の決意に期待をかけている。

 グループ2位の座を巡る争いで、サッカルーズはサウジアラビアと日本の戦いにも注目している。公式サイトではハリルジャパンで右ウイングの定位置を失ったパチューカFW本田圭佑の、失地回復に懸ける思いを紹介している。

「ケイスケ・ホンダもまた、どうしてもプレーしたいと切望している。出場機会を手にするために、夏にACミランを去った31歳の男はパチューカに移籍した。メキシコでは心強いスタートを飾ったにもかかわらず、“エンペラー”はオーストラリア戦でベンチに置かれた。タクマ・アサノとヨウスケ・イデグチのゴールした2-0勝利を見守ったのだ」

「フラストレーションを感じる必要もある」

 これまで日本サッカー界の皇帝のような存在だった本田は、アジア最終予選を戦うなかで右ウイングの座をヘントFW久保裕也に明け渡した。ミランでは2シーズン連続でリーグ戦1ゴールと苦しみ、欧州でのキャリアにひとまず別れを告げた。

 7月にメキシコに渡り出場機会を模索したが、右ふくらはぎ肉離れによって出遅れてしまう。新天地デビューとなった第6節ヴェラクルス戦では途中出場から見事にゴールを決めたが、バヒド・ハリルホジッチ監督は本田ではなく、実績の乏しいシュツットガルトFW浅野拓磨を右ウイングに抜擢。そして浅野が先制点を叩き込んだ。

 レギュラーという玉座を追われたエンペラーの苦境を、FFA公式サイトはこう紹介している。

「この経験深いアタッカーが依然として必要かどうかの議論が、日本で存在する。しかし、彼自身はもっと若いスター軍団の活躍を歓迎している」

 公式サイトでは若手の挑戦に応える格好となった本田の「フラストレーションを感じる必要もある。それでもっと努力しようと思うし、モチベーションも高めてくれる」とのコメントも紹介している。オーストラリアも注目し期待する本田の反骨心は、敵地ジッダのピッチで輝きを放ち、日本に勝ち点をもたらすのだろうか。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images