「相手との駆け引きが楽しい」という前田が優勝

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「第35回 第一生命 全国小学生テニス選手権大会」(東京都世田谷区・第一生命相娯園グラウンドテニスコート/7月28〜30日)の大会3日目は、順延となっていた男子の準々決勝および、男女の準決勝、決勝などが行われた。

 男子の頂点に立ったのは前田優(大分/大分大学教育学部附属小学校)。この日はまず、大熊樂(東京/私立成蹊小学校)との準々決勝を6-7(3) 3-3のスコアから再開した。

 再開後のゲームは短時間で決着がついた。前田が3ゲーム連取で1セットオールに持ち込むと、続く第3セットも6-0で圧勝。大熊が前日までの調子を取り戻す隙を与えなかった。

(写真)多彩なショットでベスト4のボウルズ

 前田は準決勝では、坂本健英(神奈川/相模原市立若松小学校)を6-2 6-2で下すと、決勝で九州大会などで何度も対戦してきた花田海翔(福岡/北九州市立曽根東小学校)と対戦。花田はこの日の準決勝でボウルズ ニコラス(神奈川/逗子市立小坪小学校)を6-2 6-4で退けた。

「相手は体も大きいし、打ち合っても楽に勝てる相手ではない」という前田は、花田を前後左右に走らせ、何度も相手の逆を突く絶妙なショットで翻弄する。徐々にペースをつかんで2-2から一気に4ゲーム連取で第1セットを先取した。

 第2セットの立ち上がりは花田の反撃にあい、1-2から先にブレークされる。だが、続くゲームですぐにブレークバックし、相手のミスを誘発する巧みな展開で5ゲームを連取して、6-2 6-3のストレート勝利で頂点に駆け上がった。

「全部厳しい試合だったけど、優勝できてうれしい。このあとすぐ全日本ジュニアがあり、そこで中学1年生の早生まれの選手も出てくるので、今大会のように揺さぶって緩急をつけるテニスで、また優勝したい」と前田は喜びもつかの間、その視線は1週間後に大阪で開幕する今夏の総決算となる大会に向けられている。

テニスマガジン/Tennis Magazine◎池田 晋)