木曜ドラマ『黒革の手帖』|テレビ朝日公式サイトより

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 7月27日に2回目の放送を迎えた武井咲(23)主演のドラマ『黒革の手帖』(テレビ朝日系)。第2話の平均視聴率は前回から0.6ポイント上昇の12.3%だったことが分かった。

 意外にも武井咲が演じる原口元子が好評だ。特に女性からの支持が高く、上品な佇まいと毎回美しい着物に身を包んだ武井自身の美貌に絶賛の声が集まっている。「元子を演じるには武井は若すぎる」と言われていたが、若者のドラマ離れが加速する中で、若者に人気のある武井を主演に抜擢したことが功を奏したと言えるだろう。

 また武井は『黒革の手帖』の前は2作品ともジャニーズ俳優が主演を務めるドラマのヒロインとして登場しており、いずれも視聴率は惨敗。ジャニーズ俳優の建前があるのか、武井が“低視聴率女優”の汚名を被せられる形になってしまった。ただ今作品は、ジャニーズの出演はなし。これが武井にとって“真の力”を試される場になることは間違いない。

 松本清張の小説が原作となっている同ドラマは、銀座を舞台に原口元子(武井咲)が、あらゆる手段で“資金”を集めながらも様々な策略や裏切りのはて、夜の世界・銀座でのし上がっていくというストーリーだ。

 第2話では、元子の銀行員時代の元同僚・山田波子(仲里依紗)がクラブ「カルネ」に新人として雇い入れてもらうのだが、この女もとんでもない悪女だったのだ。お金を手に入れる喜びを知った波子の暴走は止まらない。波子は、楢林クリニック院長・楢林謙治(奥田瑛士)をパトロンにして、元子のクラブ「カルネ」の2つ上のフロアに自分のクラブをオープンさせる予定を進行させていたのだ。

 しかし、これを知った元子は裏で画策し、楢林クリニックの裏資金や裏帳簿をネタにして楢林謙治が案に波子から手をひくように企てていた。その結果、パトロンの存在を失った波子は、全ての予定が狂ってしまい、クラブ「カルネ」に乗り込んでいった…というのが全体のあらすじだ。

 仲はどうしてもヤンキー臭が抜けきれず下品なことから、とても銀座のホステス、ひいては銀座のクラブのママになる器としてはキャスティングミスに思えてしまう。しかし、武井の演じる上品なママとの対照としてはいい味を出しているのではないだろうか。

 米倉涼子が演じた時のような迫力・貫禄こそはないが、武井演じる元子は「人を見下したような目つき」がなかなかハマっているのではないだろうか。俳優陣の年齢層が高いだけに、若い女に群がる年寄りの男たちの欲望に向ける“軽蔑”と“自己陶酔感”が妙にしっくりきている気がする。

 ストーリーのテンポが速すぎて1話ずつがあっさりしすぎているのが気になるが、今後はもっとドロドロの世界を描いてくれると期待したいところだ。

文・吉本あや