コーヒーショップの定番メニューとして親しまれている「カフェオレ」「カフェラテ」。いずれもコーヒーにミルクを入れることで、とてもよく似た見た目や味をしていますが、両者にはどのような違いがあるのでしょうか。

 オトナンサー編集部では、全日本コーヒー協会の西野豊秀専務理事に聞きました。

カフェオレはフランス、カフェラテはイタリア

 まず、カフェオレ(cafe au lait)はフランス語で「牛乳入りのコーヒー」を意味するように、主にフランスで好まれているコーヒーの飲み方です。ペーパーなどでドリップしたフレンチローストコーヒーに熱いミルクを注いで作られ、「カフェオレボウル」と呼ばれる持ち手のないカップで出されます。コーヒーとミルクの割合は「1:1」。

 一方、カフェラテ(Caffe Latte)はイタリア語で「コーヒー牛乳」という意味です。イタリアで「Caffe」は一般的に、焙煎度の最も深いイタリアンローストコーヒーを使って濃く抽出した「エスプレッソ」のこと。このエスプレッソにミルクを混ぜて作られるものがカフェラテと呼ばれます。エスプレッソとミルクの割合は「2:8」。

「エスプレッソは濃縮されたコーヒー。ミルクより少量でもコーヒーの風味と苦みがしっかりと味わえます」(西野さん)

 つまり、カフェオレもカフェラテもミルクが入っている点は同じですが、使われるコーヒーの抽出法に違いがあるのです。「カフェオレはマイルドな苦みがあり、柔らかい味わいが楽しめます。一方、苦みが強いエスプレッソを使用するカフェラテは少しほろ苦さがあるのが特徴です」。

 なお、カフェチェーンなどでは近年、泡立てたミルクを使ったものを「カフェラテ」と呼ぶケースもありますが、これは一般に米国流の呼び方。イタリアでは、これと同じ飲み物を「カプチーノ」といいます。

カフェインはどちらが多い?

 カフェオレとカフェラテは、カフェイン量にも違いがあります。

 苦みが強いカフェラテの方がカフェインを多く含むと思われがちですが、一般的なカップサイズの場合、実はカフェオレの方が多いそうです。「ドリップコーヒーとエスプレッソを同量で比べると、エスプレッソの方がカフェイン量は多いのですが、カフェラテはミルクをたくさん入れるためカフェインはそれほど多くありません」。

 ちなみに、銭湯の自販機などでおなじみの「コーヒー牛乳」は、牛乳にコーヒーや砂糖で味付けしたもの。原料としてはほぼ同じですが、カフェオレやカフェラテの“主役”がコーヒーであるのに対し、コーヒー牛乳はあくまで牛乳が主役です。

(オトナンサー編集部)