日清食品、宇宙食ラーメン「スペース・ラム」を公開
日清食品<2897>は27日、26日午前10時39分(日本時間午後11時39分)にケネディ宇宙センターから打ち上げられたスペースシャトル「ディスカバリー」に持ち込まれた宇宙食の即席ラーメン「スペース・ラム」を公開した。同社とJAXA(宇宙航空研究開発機構)が共同で開発したもので、無重力空間でもスープが飛び散らないように、粘度を高めたほか、シャトル内で給湯可能な70℃の湯で調理できるようにした。

  同社の創業者である安藤百福氏(95)が、2001年8月24日に「宇宙食ラーメンを作りたい」と発案し、2002年1月に宇宙食ラーメンの開発を本格的に開始。同年、日本や米国、ロシアなど15ヵ国で建設を進めている「国際宇宙ステーション」に組み立て予定の日本実験棟「きぼう」で、JAXA(当時NASDA)が推進する「きぼう利用フィジビリティスタディ(可能性調査)」の活動を行う間、飛行士の滞在中の食事用として提案、採用に至った。また、NASA(米航空宇宙局)の厳しい安全・品質基準にも合格。2002年8月に、しょうゆとみそ、カレー味の開発を完了し、2003年にディスカバリーに搭乗している野口聡一さんからリクエストを受け、みそ味とカレー味に加えて、とんこつ味も開発を開始し、今年1月に完成した。

  試食した安藤氏は、「宇宙ラーメンという夢のような話が実現できてうれしく思っています」と語り、宇宙食ラーメンの味に関しては「上出来」と評価。また、「できることなら宇宙に行ってみたい」と笑いながら希望を語った。

  同社は今後、宇宙食開発のノウハウを生かし、様々な食機会に対応できる簡便性の高い加工食品への応用開発に取り組んでいくとしている。同社広報部によると、市販の可能性については、「検討中」としている。【了】