刑務所の薬物探知犬、面会に来た幼児を襲う(出典:http://www.mirror.co.uk)

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凶悪犯が収監されている刑務所では、当然ながらセキュリティ設備も万全だ。その一つとしてイギリスでは薬物探知犬を配備しているが、ロンドンの刑務所で面会に訪れた家族の子供が薬物探知犬に襲われるという事件が起こったことを英『Mirror』など複数メディアが伝えている。

3月31日、ロンドン東部のテムズミードにある刑務所「HM Prison Belmarsh」で幼児が薬物探知犬に襲われて重傷を負った。

「HM Prison Belmarsh」はテロリストや殺人犯など凶悪犯罪者が収監されている男性刑務所で、幼児は服役囚に面会する予定の家族に連れられてやって来た。

ところが刑務所内で行われていたドラッグ検査の最中に、薬物探知犬のラブラドールが幼児に向かって走り出し襲いかかったのだ。それまでは通常通り薬物のニオイを嗅ぐという任務をこなしていた犬だったが、幼児を見るなり気がふれたように走り寄って噛みついたという。

襲われた幼児は泣き叫んだ。その傷は深く、今後は形成手術をしなければならないほどと言われている。幼児の家族らはなぜこんなことが起こるのかと悲しみに暮れながらも憤りを隠せない。刑務所に対して損害賠償を求めることも検討しており、法務省を訴える構えも辞さないようだ。

イギリスの刑務所内で訓練を受けた犬が人を襲うケースは、おそらく今回が初めてだろうとされている。現在は警察が刑務所職員らから事情を聞き捜査中だが、幼児を襲った犬はすぐに任務から外されたとのことだ。

『Mirror』によると昨年、イギリス国内の刑務所では550頭の薬物探知犬が配備されたそうだ。現在ではイングランドとウェールズの129か所の刑務所で薬物探知犬が活躍しているが、どの犬にも任務にあたる前には4週間の訓練を受けさせているという。

薬物探知犬に襲われた悲劇に対して、世間からは「まさかこの幼児が何かを持っていたというわけじゃないだろうな」「犬が薬物嗅ぎすぎてハイになってたんだろうか」「訓練を受けた犬のはずなのに突然襲うなんて奇妙過ぎる。過去に子供に苛められたなどというトラウマがあり、幼児を見て逆上したのだろうか」といった様々な憶測の声があがっている。

出典:http://www.mirror.co.uk
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)