消防士は濃い煙に包まれた空間で救助活動を行うため、サーモカメラを使って「見えない要救助者」を見つけ出します。カメラを使っている間は片手がふさがってしまい、自由に活動ができなくなるのが難点ですが、消防装備メーカーのScott Safetyは、サーモカメラを内蔵してハンズフリーで救助活動を行えるようにする高性能防煙マスク「Scott Sight」という解決策を持っています。

Product Detail

https://www.scottsafety.com/en/us/Pages/ProductDetail.aspx?productdetail=Scott+Sight

Scott Sightがどんな防煙マスクなのかは、以下のムービーを見るとわかります。

Scott Sight Product Overview - YouTube

これがScott Sight。



マスクの側面には耐久性の高いサーモカメラが付いています。レンズはゲルマニウム製のウインドウで保護されているとのこと。



電源ボタンは大きく作られているため、消防士がグローブを装着したままでも簡単にオン・オフの切り替えが可能。



解像度は160×120で、救助活動の基準値をクリアしているとのこと。



サーモカメラで撮影した映像は、ワイヤレスでマスクのディスプレイに投影されます。



上記のパーツを顔側から見ると以下のようになっています。サーモカメラの映像を見ながらハンズフリーで救助活動を行えるわけです。



Scott Sightを取り上げたCNNによると、火事の際は炎ではなく、煙が原因で死亡することが多いとのこと。これは通常21%ある酸素濃度が17%を下回ると人間は正確な判断ができなり、9%を下回ると人間は意識を失ってしまうため。さらに煙は意識を失って倒れてしまった人の姿を覆い隠してしまうため、消防士は防煙マスクとサーモカメラを必要とするわけです。これらの装備を別々に持っていると片手がふさがってしまい、救助率にも影響を及ぼしますが、Scott Sightは開発段階から消防士の意見を取り入れて開発された理想的な防煙マスクになっているとのことです。