3年ぶりに世界王者に返り咲いた羽生結弦【写真:Getty Images】

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67%獲得でSPに続き“順当”の圧倒V、ファン感嘆「氷上の芸術作品」「世界に遺産残した」

 男子フィギュアスケート界で今季、金字塔を打ち立てた羽生結弦(ANA)。世界選手権で自身が持つフリー歴代世界最高得点を更新して優勝し、逆転で3年ぶりに世界王者に返り咲いた。久石譲氏作曲の「ホープ&レガシー」に乗せて圧倒したフリーの演技でリンクを支配したが、海外のファンからも人気を博していた。米メディアが実施した「今季のフリーNO1ファン投票」で宇野昌磨(中京大)らを抑え、圧倒的な大差で1位を獲得。SP部門との2冠を達成した。

 米スケート専門メディア「アイスネットワーク」は公式ツイッターで「2016-17年シーズンのベスト・フリーは誰?」と題し、投票機能を使ってファン投票を呼びかけた。ノミネートされたのは、ジェイソン・ブラウン(米国)、ネイサン・チェン(米国)、羽生、宇野の4人。米国の名手2人と国内のライバル宇野も含めた豪華な面々となったが、総投票数5777票を集めた結果は、またも日本のエースの圧勝となった。

1位 羽生結弦 67%
2位 宇野昌磨 20%
3位 ジェイソン・ブラウン 7%
4位 ネイサン・チェン 6%

 羽生は20%の2位宇野と47ポイント差となる67%を獲得。前日に行われたSPの投票では63%の支持を受けて圧勝していたが、今回はそれを上回る結果に。実に3人に2人が日本のエースに投票した形となり、ぶっちぎりでSP&フリーの2冠を達成した。

 2位の宇野も7%のブラウン、6%のチェンを引き離しており、しっかりと評価されている。世界選手権でも1、2位に入った“最強コンビ”が、再び上位独占。日本中を沸かせたワンツーを再現した。

 投票したファンからは「羽生支持」の理由を曲名にかけて述べるなど、熱烈なコメントが投げかけられている。

羽生支持の理由は? 「史上最高のFS」「ユヅルは氷の上に浮かんでいるよう」

「間違いなくHope&Legacy! ヘルシンキでこのプログラムを見た時どれほど感動させられたことか、忘れることはないでしょう」「Hope&Legacyに投票しない理由が思いつかない」

 こういった支持の声が上がる一方で、曲名にかけて称賛を送る声も見られた。

「Hope&Legacyは様々な観点から見て最高のFSだ、技術的にも芸術的にも。ユヅ自身が私達にとってのHope&Legacyだ!」
「Hope&Legacyはユヅと彼のファン達に希望をもたらしてくれた。そして、世界に大いなる遺産を残した」

 さらに賛辞の声はとどまらず、次々とコメントが投げかけられている。

「史上最高のフリースケート」「氷上の芸術作品だ」「氷上のキングだ」
「彼の歴史的なスケートは、間違いなくこれに値する」
「まるでユヅルは氷の上に浮かんでいるようだった」
「彼のエレガンスと優美さは、とても素晴らしい。彼のような存在は見たことがない。全てが備わっている」

 一方、宇野に投票したファンも号泣するほど感動的な演技だったなどと理由を明かしている。

宇野支持の理由は? 羽生Vは驚きなし、米メディア「予想外のことではない」

「ジェイソンとユヅルも好きだけど、ショウマのFSが私のお気に入り」
「今年のFSを見て、ショウマが私のお気に入りの選手になった。このプログラムを見て泣いてしまった。とても素晴らしい」
「ショウマだ。振り付けはとても良かったし、ジャンプも音楽に合っていた」

 票数に差はあっても、2人の若き日本人スケーターが圧倒的なインパクトを与え、世界のファンを魅了したことは間違いなさそうだ。

 この投票結果を受け、「アイスネットワーク」も「決して予想外のことではないが、ユヅル・ハニュウの“Hope and Legacy”がベストフリープログラムに選出」と結果をレポート。世界王者の2冠に驚きなしと報じている。

 すでに今季を終了した羽生は連覇を目指し、平昌五輪が控える来季に備える。一方、宇野も羽生超えを狙い、来季にかけている。果たして、フリーの演技で世界のファンからも支持を受けた2人は、どんな舞いを見せてくれるのか。来季の開幕が早くも待ち遠しくなってくる。