「スーパーカミオ缶デ」表(画像提供:飛騨市)

2017年4月5日、東京大学宇宙線研究所と岐阜県飛騨市は、「スーパーカミオ缶デ」を共同開発したと中日新聞が報じ、話題となっている。

見た目はまるで缶コーヒーのようだが、中には何も入ってないという。いったいこれは何? そして、何のために?

飛騨市に話を聞いてみた

ツイッター、フェイスブックには、冒頭のニュースを知った人々から、次のような声が寄せられている。

「新しい空気缶」「いつかどこかがやると思ってたwww」などという感想だ。

東京大宇宙線研究所と飛騨市が共同開発した、「スーパーカミオ缶デ」とは何か。Jタウンネット編集部は飛騨市に電話して話をきいてみることにした。

電話で答えてくれたのは、飛騨市役所の地域振興課の担当者だった。

「この缶は、今年の1月、東京大宇宙線研究所と飛騨市が連携協力協定を締結したのですが、その記念品として開発されたものです。実は東大の研究者の考案で、飛騨市の市章と研究所のロゴマークがデザインされています」と担当者。

連携協力は、学術研究、人材の育成、地域社会の発展に貢献することが目的で、さまざまな分野に及ぶ。こういったグッズ開発も含まれるという。

缶のデザインは、「スーパーカミオカンデ」をイメージしたもので、無数の小さな光センサーがデザインされている。缶の容量は190mlだが、缶を通過するニュートリノの数は〇〇個などと成分表示が記載されているとのこと。


「スーパーカミオ缶デ」裏(画像提供:飛騨市)

「この缶は400個限定の非売品で、PRイベントで配布されることになります」と飛騨市の担当者は語った。現段階では、きわめてレアなアイテムと言える。

東京大宇宙線研究所は、飛騨市神岡町で「スーパーカミオカンデ」と呼ばれるニュートリノ観測装置などで実験を行っている。2002年にノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊さん、2015年にノーベル物理学賞を受賞した梶田隆章さんらが携わっていることでも知られている。