日本は四季の区別がはっきりとしている気候風土を持つ。それゆえ、伝統的な和食では季節感が重んじられる。その季節季節で異なるおいしい食材を味わえるのは実に幸せなことであり、和食が日本人のみならず多くの外国人からも愛される理由の1つと言える。(イメージ写真提供:123RF)

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 日本は四季の区別がはっきりとしている気候風土を持つ。それゆえ、伝統的な和食では季節感が重んじられる。その季節季節で異なるおいしい食材を味わえるのは実に幸せなことであり、和食が日本人のみならず多くの外国人からも愛される理由の1つと言える。

 中国メディア・今日頭条は1日、「日本料理の精髄は、どこにあるのか」とする記事を掲載した。記事の作者は「日本料理が大好きで、本場の味を食べたくて京都などの名店に赴くこともある。日本料理は単に調理にとどまらず、日本文化が表れており、実に感動させられる」のだという。

 記事は、日本料理が他国の料理と最も大きく異なるのは「対話」が本質という点にあり、日本料理は材料と、季節と、客人と、そして、時代とそれぞれ対話することで作り上げられるものであると説明。「日本料理には定型がなく、完成形もない。料理人はその日の食材に合わせて、そして、客の好みの変化にも合わせて料理を作る。肉が流行すれば伝統的な寿司屋や懐石料理店でも牛肉の料理を提供するのだ」と伝えた。そして、「日本料理にはメニューがない」と紹介。その日に市場で仕入れた食材で作るものを決定するからであり、それゆえ日本料理店では予約が必要なのであると説明している。

 さらに、「日本料理の精髄は食材本来の味を引き出すことであり、調味は味を加えるのではなく、素材を引き立たせるためのものだ。だから、日本料理のだしはとても淡い。そういう意味では実に消極的な調理法であるとも言え、食材を全く別のものに調理するようなことはせず、加工度が少ないほどおいしいとされる。そうやって初めて、世界で最も繊細と自認する日本人の舌が培われるのだ」と論じた。

 素材の味を最大限に引き立てる料理では、当然ながら素材の質が低ければすべてが台無しになる。濃い目の味付けや香辛料などでごまかすことができない。そこが中国料理と大きく異なり、食材の質に対する厳しさの違いにもつながっているのではないだろうか。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)