高橋みなみがパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「高橋みなみの『これから、何する?』」。2月28日(火)の放送では映画解説者の中井圭さんにアカデミー賞について、さらには今観るべき映画を教えてもらいました。



日本時間2月27日、アメリカ・ロサンゼルスで「第89回アカデミー賞授賞式」が開催されましたが、そもそも“アカデミー賞”とは何か。カンヌやベネチア、ベルリンなどで行われている映画祭と違い、それはもっと内輪の賞だと中井さんは言います。アメリカ映画発展のために組織された「映画芸術科学アカデミー」が選ぶ賞であり、審査するアカデミー会員は現在6,600人ぐらい。ただ、これはなかなかなれるものではなく、会員からの推薦がないと加われず、あの北野武さんも去年ようやくなれたとか。

また、その会員たちが各賞を選んでいると思われがちですが、実はノミネーションは男優賞や女優賞であれば会員の中の俳優が、というように専門職が専門職を選び、ノミネートされた作品を会員全員が再度投票し各受賞作を決めているそうです。

そんなアカデミー賞ですが、今年大きな影響を及ぼしていたのはトランプ大統領だったと中井さん。「ハリウッドの映画人はリベラルで、対抗姿勢が明確だった」と言います。実際、司会者もトランプ大統領を揶揄したり、かねてから確執のあった大女優・メリル・ストリープをネタにしたり、昨今の政治色が大きく現れていたそうです。中井さんも「アカデミー賞はその年の最高の作品に与えられると思われがちですが、最高でありつつも、そのときの世界、アメリカの社会を投影している作品が受賞したりするんです」と話します。

そしてアカデミー賞を終え、中井さんが今観るべきとプッシュするのは3作品。まずは、今回最多の6部門を受賞した「ラ・ラ・ランド」。これには、ちょうどたかみなも観たばかりで「はじまった瞬間から引き込まれました!」と大絶賛。中井さんも本作はミュージカル映画でありつつも等身大の男女の物語がベースにあり、たとえミュージカルに興味がない人でも楽しめると言います。とはいえ、魅力はやはり音楽。たかみなもすぐにサントラを買ったそうです。実は映画の中に日本の楽曲が1曲だけ使われていると中井さん。それはなんと滝廉太郎の「荒城の月」。序盤、ライアン・ゴズリングがピアノで弾いているのが「荒城の月」のジャズバージョン。これはサントラには入っていないので、ぜひこれから「ラ・ラ・ランド」を観る方はチェックを。

この他にも、作品賞含む6部門にノミネートされた「LION ライオン 〜25年目のただいま〜」(4月7日公開)、そして作品賞に輝いた「ムーンライト」(4月28日公開)も推薦。後者は主人公の黒人少年がゲイであることに目覚めるなか、その成長の模様を少年期、青年期、成人期の3つの時代にわけて描いています。中井さんはそのシーン単位で異なる色合いを褒めつつ、さらには黒人のパブリックイメージを覆す映画だと絶賛。

最後に中井さんは改めて今回のアカデミー賞を振り返り、作品賞に注目。前評判では圧倒的に「ラ・ラ・ランド」優勢と見られていたなか、さまざまな問題を提示している「ムーンライト」が受賞したことで、ハリウッドがトランプ大統領へ意見したと語っていました。

3月1日(水)は料理家の坂田阿希子さんが登場します。お楽しみに!

【番組概要】

番組名:高橋みなみの「これから、何する?」

放送日時:毎週月〜木 13:00〜14:55

パーソナリティ:高橋みなみ

番組ホームページ:http://www.tfm.co.jp/korenani http://www.tfm.co.jp/korenani

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