28日のロッテ戦で、サヨナラを呼び込む盗塁を2つ決めたオリックスの糸井嘉男は今季、ここまで、自己最多に並ぶ33盗塁をマークし、リーグトップの盗塁数を誇る。今月の31日で35歳を迎える糸井は、このままのペースで盗塁を重ねていくと、シーズン終了時には53盗塁という計算になる。

 盗塁王といえば、近年、中島卓也(日本ハム)、西川遥輝(日本ハム)、山田哲人(ヤクルト)、梶谷隆幸(DeNA)といった20代の選手が獲得しているケースが多く、30代以上の選手で獲得した選手はほとんどいない。そこで過去に、35歳以上のシーズンで40盗塁以上を記録した選手がいたのか調べてみた。

 通算1065盗塁の日本記録を持つ福本は、35歳となった82年のシーズンで54盗塁を記録し、盗塁王のタイトルを獲得。翌年はタイトルを逃したものの、前年よりも1つ多い55盗塁をマークした。37歳となった84年から引退した88年までを見ると、36盗塁、23盗塁、23盗塁、6盗塁、3盗塁と40盗塁には届かなかったものの、引退する2年前まで、二ケタ盗塁を記録している。

福本豊

82年:54盗塁[35歳]

83年:55盗塁[36歳]

 近年では西武、オリックスでプレーしたヘルマンも、35歳で迎えた西武時代の13年に、40盗塁をマーク。頭からスライディングする盗塁スタイルで、ファンを沸かせた。一方で、盗塁の失敗も多く、同年は40盗塁を決めているが、失敗数はリーグワーストの20だった。

ヘルマン

12年:40盗塁[35歳]

 また、海の向こうメジャーで活躍するイチローは、マリナーズ時代の08年に35歳のシーズンに43盗塁を記録すると、翌09年は26盗塁と減少したものの、10年が42盗塁、11年が40盗塁と“ベテラン”と呼ばれる年齢となっても快速ぶりを発揮している。

イチロー

08年:43盗塁[35歳]

10年:42盗塁[37歳]

11年:40盗塁[38歳]

 その他、広瀬叔功が36歳のシーズンで、42盗塁を記録した。ちなみに、93年に35歳のシーズンで盗塁王に輝いた大石大二郎(近鉄)は同年、31盗塁だったこともあり、40盗塁以上には届かなかった。