キーボードは、今やパソコンだけでなく、タブレット端末やスマートフォン、さらには家庭用ゲーム機でも使う機会が増えている周辺機器。日ごろ文字入力することが多い方や、PCのヘビーゲーマーなどは、こだわりの製品を選んで使っています。そこで本特集では、そんな特徴的なこだわり機能を搭載する「一芸に秀でた」キーボードを厳選してご紹介!

目次・キーボードの基礎知識 キーを知れば打ち心地もわかる1.清潔に保てる!水洗いできるキーボード2.室内照明で充電可能なソーラーキーボード3.タブレット用スタンド一体型のキーボード4.折りたたんで持ち運べるキーボード5.打ち心地にこだわったスマートデバイス向けキーボード6.見映えと使いやすさにこだわった薄型キーボード7.2,000円台の低価格ゲーミングキーボード8.メカニカルキー採用の本格ゲーミングキーボード9.あの「ThinkPad」を再現したワイヤレスキーボード10.疲れにくく高耐久で静かなキーボード

キーボード選びでまず押さえるべき3つのポイント

ポイント1)キーボードの基本「キーピッチ」と「キーストローク」

キーボードを購入するときにまずチェックしたいのが、「キーピッチ」と「キーストローク」というスペックです。

「キーピッチ」は隣り合うキーの間隔のこと。一般的には19mmが標準サイズといわれており、このクラスのキーピッチであればタイプミスの少ない打鍵が行えると言われています。ノートパソコン・デスクトップパソコン問わず、キーピッチは18 mm以上確保されているほうが窮屈な感じがしません。

いっぽうの「キーストローク」はキー押したときの沈む深さで、ノートPCのキーボードでは2〜3mm程度が多く、デスクトップPCのキーボードでは4mm程度が一般的です。浅いと軽やかなタッチが可能ですが、いっぽうで押した感触が少なく誤操作を招きやすい側面もあります。好みにもよりますが、長時間打鍵しても疲れにくく、十分な打鍵感を得たいなら4mm程度の深いキーピッチが望ましいと言えます。

ちなみに、最近のパソコンに付属するキーボードは、キーが独立しているアイソレーションタイプが主流。キー自体を小さく、ストロークも浅めにしています。ホコリが入りにくいなどのメリットもありますが、打鍵感という意味ではやや物足りないと思う方もいるかもしれません。

アイソレーションタイプのキーボード。キーとキーの間に間隔があるためミスタッチしにくいのが特徴ですが、キーの高さは低くくストロークも浅めなのが、好みの分かれるところ

ポイント2)打鍵感を左右する「キースイッチ」

続いてチェックしたいのは、「キースイッチ」の種類です。キースイッチとは、キーの下にあって、キー入力をしたかしないかを判別する装置。同時にキーを押し下げるばねの効果も担っているので、打ち心地、いわゆる打鍵感のよさを左右します。なお、「キースイッチ」は以下の4種類があります。

キースイッチの主な方式

■メンブレンストローク:浅い〜深い、重さ:軽い〜やや重いクリック感:☆☆☆☆★■パンタグラフストローク:浅い、重さ:軽いクリック感:☆☆☆★★■静電容量無接点ストローク:深い、重さ:軽い〜やや重いクリック感:☆★★★★■メカニカルストローク:浅い〜深い、重さ:重い〜超重いクリック感:★★★★★

この中でもっともポピュラーなのが「メンブレン」です。デスクトップPCをはじめ、ノートPCのキーボードでも多く使われており、前述のアイソレーションキーボードもほぼこの方式です。「パンタグラフ」は、かつてノートPCでよく採用されていたキースイッチです(今では外付けキーボードとして多数の製品があります)。この2種類は、構造がシンプルで安価にできるため、一般に普及していますが、確実なクリック感という意味ではやや物足りないと思う人もいるかもしれません。

そういう人は、「静電容量無接点」や「メカニカル」を利用するキーボードに変えてみたほうがいいかもしれません。高級キーボードやゲーミングキーボードでおなじみの方式で、しっかりしたクリック感が得られるのが特徴的。ただ、これらのキーボードは構造が複雑になるため、一般的に価格は高めになります。

ポイント3)タブレット端末/スマホとつなげるならBluetoothが必須

キーボード選びのポイントの最後は、接続方法です。接続方式には大きく分ければ有線と無線がありますが、有線接続の場合、現在ほぼUSB接続となっています。逆に無線については「Bluetooth」が主流。タブレット端末やスマートフォンで使う場合は「Bluetooth」接続が必須と言えます。そのうえで使用端末のOSの動作確認がとれているかをチェックします。

さて、ここまではキーボード選びの気になるポイントを見てきました。いよいよここからは「一芸に秀でた」便利なキーボードたちを紹介していきます。

1.汚れても安心!水洗いできるキーボード バッファロー「BSKBU12BK」

バッファロー「BSKBU12BK」キースイッチ:メンブレン、キーピッチ:19mm、キーストローク:3.5mm、キー配列:日本語108、本体サイズ(幅×高さ×奥行、以下同):445×21×151mm、重量:約560g

気をつけてキレイに使っているつもりでも、実は結構汚れているのがキーボード。ついつい飲食しながら作業しがちなパソコンですが、ときにはうっかり飲み物をこぼしてしまうことも。そんなとき洗えればどれほどありがたいか、と思ったことはありませんか?

「BSKBU12BK」は、水洗いできるUSBキーボードです。本体底面に排水溝を設けているので、キーの隙間に入った汚れを、流水(水温50度以下)でサッと洗い流せます。キーの印字も、薄くなりにくく耐久性にすぐれたレーザー刻印だから安心。洗剤は使えない、十分な乾燥が必要、と注意点はありますが、常に清潔感を保てるのは便利です。

2.室内照明で充電可能なソーラーキーボード ロジクール「Wireless Solar Keyboard K750r」

ロジクール「Wireless Solar Keyboard K750r」キースイッチ:パンタグラフ、キーピッチ:19.5mm、キーストローク:2mm、キー配列:日本語108(かななし)、本体サイズ(同):432×7.5×157mm、重量:750g

ワイヤレス製品でやっかいなのがバッテリー。乾電池は交換するのが手間だし、充電式の内蔵バッテリーではケーブルをつないで給電する必要があるのが面倒。それなら太陽電池で充電できるソーラーキーボードはいかが?

本体に装備されたソーラーパーネルで給電可能。直射日光であれば2時間で内蔵バッテリーをフル充電できます。蛍光灯くらいの明るさでも大丈夫。暗い部屋などでも蓄えられた電力により3か月以上使用できるとのことです。受光量をチェックできるLEDを搭載するほか、Windows用アプリをインストールすれば光量や電池残量をリアルタイムでチェックできるのも面白いところ。

3.タブレット用スタンド一体型のキーボード ロジクール「BLUETOOTH MULTI-DEVICE KEYBOARD K480」

ロジクール「BLUETOOTH MULTI-DEVICE KEYBOARD K480」キースイッチ:パンタグラフ、キーピッチ:19mm、キーストローク:2mm、キー配列:日本語84、本体サイズ(同):299×20×195mm、重量:815g

タブレット端末やスマートフォンを立てかけておけるスリットが設けられたBluetoothキーボード。9.7インチのiPadでも横置き可能で、ノートPCスタイルで利用できます。マルチデバイスに対応し、Windows/Mac/iOS/Androidに対応する機器を最大3台までペアリング可能。また、本体にあるダイヤルを回すだけでペアリング先を簡単に切り替えできるのも便利です。

タブレット端末を支えるスタンドも兼ねているため、本体重量は比較的重めの816g(電池含む)で、バッテリーは単4乾電池×2本。さすがに持ち運びには不向きですが、デスクに置いて使うだけなら十分コンパクト。狭い机の上でPC/スマートフォン/タブレット端末への入力を1台のキーボードでまかないたい方にはおすすです。

4.折りたたんで持ち運べるキーボード マイクロソフト「Universal Foldable Keyboard GU5-00014」

マイクロソフト「Universal Foldable Keyboard GU5-00014」キースイッチ:表記なし、キーピッチ:表記なし、キーストローク:表記なし、キー配列:日本語80(かななし)、本体サイズ(同):295×5.3×126mm、重量:180g

バックの中に入れてもかさばらない、折りたたんで持ち運べるコンパクトキーボード。中央からたためるふたつ折りタイプで、全長295(幅)×5.3(高さ)×126(奥行)mmのボディが、折りたたみ時にはCDケース並みの146(幅)×10.5(高さ)×126(奥行)mmに小さくなります。重量も180gと超軽量。また、防滴対応なので少しくらいの水濡れならへっちゃら。対応OSはWindows/iOS/Androidで、接続はBluetooth4.0。ペアリング台数は最大2台です。バッテリーに充電式リチウムイオンを内蔵し、動作持続時間は約3か月。まさにモバイルに心強いキーボードと言えるでしょう。

5.打ち心地にこだわったスマートデバイス向けキーボード PFU「Happy Hacking Keyboard Professional BT」

PFU「Happy Hacking Keyboard Professional BT」キースイッチ:静電容量無接点、キーピッチ:19.5mm、キーストローク:4mm、キー配列:日本語69(かななし)、本体サイズ(同):294×40×120mm、重量:540g(電池含まず)

打ち心地のいい静電容量無接点方式を採用したワイヤレスキーボードの決定番と言えばコレ。PFUの高級キーボード「Happy Hacking Keyboard」シリーズです。ファンの間では「HHKB」で親しまれている人気シリーズですが、それをBluetooth 3.0接続を用いてワイヤレス化したのが本製品。打鍵感やキーピッチはUSB版の「HHKB Professional2」と同じで、タブレット端末やスマートフォンでも、HHKBならではの快適な打ち心地を楽しめます。バッテリーは単3乾電池×2本で、電池切れのときでも使える給電用microUSBポートも搭載しています。価格は高めですが、静電容量無接点方式ならではの確実なクリック感は一度体験すると病みつきになるかも?

6.見映えと使いやすさにこだわった薄型キーボード ロジクール「ILLUMINATED KEYBOARD K740」

ロジクール「ILLUMINATED KEYBOARD K740」キースイッチ:パンタグラフ、キーピッチ:19mm、キーストローク:3.2mm、キー配列:日本語111(かななし)、本体サイズ(同):457×9.3×190mm、重量:1050g

ビジュアルと打ち心地にこだわったパンタグラフキーボード。厚さ9.3mmの薄型ボディの周りにクリアフレームを配置し、レーザー刻印部をバックライトにより照らし出す、見た目にこだわったキーボードです。バックライトは白色で、周辺光量に応じて明るさが自動調整されます。また、ノートパソコンで使われる標準的パンタグラフよりもやや深い3.2mmのストローク(通常は2.5mm)を採用しているうえ、キー表面にかかる力を分散させる仕組みを採用することにより、長時間の使用でも疲れにくいタイピングを実現しているとのこと。接続方式はUSB。対応OSはWindows 10/8/7/Vista。

7.2,000円台の低価格ゲーミングキーボード バッファロー「BSKBC16BK」

バッファロー「BSKBC16BK」キースイッチ:メンブレン、キーピッチ:19mm、キーストローク:4mm、キー配列:日本語109(かななし)、本体サイズ(同):441×27.4×136mm、重量:730g

ゲーミングキーボードと聞くと高価なイメージを持つかもしれませんが、実は、2,000円台で買える製品もあります。そのひとつがバッファローのUSBキーボード「BSKBC16BK」。ゲームをプレイするうえでよく使う「W/A/S/D」キーや「E/S/D/F」キーなどの複数同時押し(キーエリア限定)に対応。同時に4キー以上が認識可能です。また、本体右上の「Mode」ボタンを押せば、Windowsキーとアプリケーションキーの無効化も行えるため、たとえ、プレイ中に“誤爆”しても中断することなくゲームを続けられます。そのほか、PS/2接続であれば、キーのTurbo(連射)機能を3段階に切り替え可能できるのも便利。とりあえず安くゲーミングキーボードをゲットしたいという方におすすめな製品です。

8.メカニカルキー採用の本格ゲーミングキーボード Razer「BlackWidow Chroma-JP」

Razer「BlackWidow Chroma-JP」キースイッチ:メカニカル、キーピッチ:表記なし、キーストローク:1.9mm、キー配列:日本語(かななし)、本体サイズ(同):475×39×171mm、重量:表記なし

Razer「BlackWidow Chroma-JP」は、光るギミックがカッコいいゲーミングキーボードです。その色数は1680万色と豊富。さらにウェーブ状など光るパターンもいくつか用意されています。また、専用ソフトを使うことで特定キーのみを光らせることも可能。たとえば、ゲームプレイでよく使うキーのみ色を変えることで、直感的にキーを見つけることができます。そのほか、ゲーミンググレードの浅めのキースイッチ「Razer メカニカルキー」を採用し、10キーの同時押し対応など、ゲーミングに必要な性能もきっちり備えています。性能だけでなくビジュアルにもこだわりたい方におすすめなゲーミングキーボードです。

9.あの「ThinkPad」を再現したワイヤレスキーボード Lenovo「0B47181 [漆黒]」

Lenovo「0B47181 [漆黒]」キースイッチ:表記なし、キーピッチ:表記なし、キーストローク:2mm±0.2mm、キー配列:日本語89、本体サイズ(同):305.5×13.5×164mm、重量: 460g

「ThinkPad」など、「Lenovo」のノートPCのキーボードの中心にあるあの赤いポッチ。ファンの方ならおなじみのポインティングデバイス「トラックポイント」は、実際に使ってみて、その使いやすさに手放せなくなったファンも多いというすぐれたデバイスです。Lenovo「0B47181 [漆黒]」は、そんなトラックポイントを搭載するBluetoothキーボード。Thinkシリーズの純正アクサリーで、ThinkPadのフラッグシップモデル「Tシリーズ」のキーボードをベースに、人間工学にも基づいて使いやすいように設計されています。動作確認済みOSは、Windows 8/7/Vistaで、Android対応はうたわれていませんが、価格.comに寄せられたクチコミをみると、Androidでもキーボードとトラックポイントがともに動くケースもあるようです。NFCをサポートしており、対応機種では簡単にペアリング可能。バッテリーは充電式で約1か月使用できます。

10.疲れにくく高耐久で静かなキーボード 東プレ「REALFORCE91UBK-S」

東プレ「REALFORCE91UBK-S」キースイッチ:静電容量無接点、キーピッチ:表記なし、キーストローク:4mm、キー配列:日本語91(かななし)、本体サイズ(同):366×38×168.5mm、重量:1200g

東プレ「REALFORCE91UBK-S」は、快適な打ち心地と静音性を追求した、プロ向けの本格派USBキーボードです。自然なタッチ感のある静電容量無接点方式のキースイッチを採用するうえ、荷重の異なる3つのキー(30g/45g/55g)を組み合わせて採用。たとえば、小指で押すキーの荷重を軽くしたり、逆に親指が押すキーは重くしたりと、それぞれ荷重を変えることで長時間の使用でも負荷が少ないようにされています。さらに本機では静音性がアピールされているのも大きな見どころ。人間の聴覚感度が高い周波数帯(2500〜5000Hz)の刺激を減らすよう改良し、耳障りな音を少なくしています。キーボードを使う方だけでなく、タッチ音が気になる周りの方への配慮も忘れない、人にやさしいキーボードになっています。


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