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●再検査の受診経験、3割を超える
新年度が始まり、健康診断の案内を受け取った方も多いのではないだろうか。血糖値や血圧、尿酸値等、診断結果の数値に一喜一憂するこの時期。マイナビニュースでは、読者会員に対して、健康診断に関する調査を実施した。今回の調査は、2016年4月13日から4月18日の6日間、全国の男女600名を対象に行った。

○再検査の実施項目、1位は尿関連

健康診断での再検査受診項目について聞いたところ、67.2%が「特にない」と答えた。一方、残りの32.8%は、何かしらの項目で再検査を経験している。本設問において、「特にない」の回答を除いた結果を見てみると、最も多かったのは、「尿関連項目(尿酸・尿糖等」(6.8%)であった(図1)。次いで、「心電図」(5.7%)、「血圧」(5.5%)、「コレステロール値」(5.0%)、「肝機能」(4.8%)が上位の項目となっている。

このデータを男女別の上位5項目に絞って見ると、男性は「肝機能」(7.3%)、女性は「尿関連項目(尿酸・尿糖等)」(7.7%)が1位となっており、男女で異なる傾向が見られた(表1)。特に、肝機能については男女間の差が最も顕著であり、男性の数値(7.3%)が、女性(2.3%)の3倍以上になっている。日常生活におけるアルコール摂取量の差が影響しているのではないだろうか。また、「白血球・赤血球数」については、女性の数値(4.0%)が男性(2.3%)の約2倍となっており、これは、女性により多く貧血の症状が見られることと関連性があるように思われる。

本設問への回答を年代別に見ると、多くの項目において、50代の数値が相対的に高くなっていることに気づく(図2)。50代に比べて、その他の年代の数値が目立つほど高くないことから、50歳を超えると、健康リスクが急激に高まることが伺える。特に、「血糖値」に関しては、数値の差が最も顕著であり、30代・40代(2.5%)と比較して、50代(8.6%)は約3.5倍の値となっている。

このデータを年代別の上位5項目に絞って見ると、20代では「尿関連項目(尿酸・尿糖等)」・「心電図」・「血圧」(6.3%)が同率で1位となっており、30代では「尿関連項目(尿酸・尿糖等)」(11.8%)、40代では「血圧」(8.1%)、50代では「コレステロール値」(12.3%)が1位となっている(表2)。30代に多い「尿関連項目(尿酸・尿糖等)」や、50代に偏っている「コレステロール値」に比べて、「心電図」については、年代ごとのばらつきが比較的少なく、どの年代においても一定の再検査受診率を保っていることが読み取れる。心電図の異常は、主に不整脈等によって起こることが多いので、年代に関わらず気をつける必要がありそうだ。

●健康診断にまつわるエピソード
○健康診断の活用方法と課題

今回の調査において、健康診断に関するエピソードを尋ねたところ、以下のような意見が見られた。(自由回答一部抜粋)

病気の早期発見に

・普段、自覚症状はないが健康診断ではじめて心臓に不正脈があることがわかった(59歳/男性/輸送機器/技能工・運輸・設備関連)
・肝機能で引っ掛かって精密検査を受けた所、腎臓に異常を発見。さらに検査を受けたところ、腎臓がひとつ機能しておらず、萎縮していた。さらに前立腺肥大まで見つかり、がん検査まで行う羽目に。結果的に、生まれつき腎臓が機能しておらず、それで前立腺肥大も問題ないことが判明したが、ちょっとしたことから、いろいろな事が判って、ショックでもあり、医学って凄いなと思ったり……(41歳/男性/精密機器/技能工・運輸・設備関連)
・母の疾患が見つかりました。放置すれば失明などにつながった病気だったので、ひと目見ただけで母の病を見抜いてくれたその先生には本当に感謝しています(34歳/女性/ソフトウェア/専門サービス関連)
・低血糖過ぎて糖尿病が発覚。やせ形なので周囲はびっくり(37歳/女性/建築・土木関連技術職)
・今まで受けていなかったが、受けたら、糖尿病だとわかった(59歳/女性/専業主婦)

数値で気づく体調の変化

・血糖値が上がっていて驚いた(35歳/男性/食品/事務・企画・経営関連)
・中性脂肪が前年の4倍になってびっくりした(34歳/女性/ソフトウェア/事務・企画・経営関連)
・肝機能の数値が悪くなっていたことに気づくことができた(27歳/女性/その他)

健康管理を見直すきっかけに

・健康診断の結果は過去3年間の結果が見られるので、3年間での体重の変化が一目でわかり「やばい」と思ったことがあり、ダイエットを開始するきっかけになりました(31歳/女性/ソフトウェア/営業関連)
・昔、健康診断前になると必死でダイエットを毎年していた記憶がある(32歳/女性/不動産/専門職関連)
・普段は体重計を避けて生活していたが、健康診断で過去最高の体重を目の当たりにしてショックでダイエットを緩く誓った結果、一年後に体重計に乗った時8キロ痩せていた。それからさらにダイエットにはまり、今はトータルで12キロ痩せた。(51歳/女性/専業主婦)
・健康診断前になると、周りではお酒を控える人がいる(39歳/女性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・健康診断に合わせて短期ダイエットを毎年していますが、年々体重調整が難しくなっているような気がします(32歳/女性/流通・チェーンストア/事務・企画・経営関連)
・血糖値を指摘されたことがあり食事改善した(40歳/女性/その他)

アドバイスをもらう場として

・毎日の食生活について、担当の先生とディスカッションした(40歳/男性/インターネット関連/クリエイティブ関連)
・痩せ型で関係ないと思っていたコレステロール値に突然引っ掛かり、食事指導を受けるほど警告された(50歳/女性/フリーター)

不満の声も

・会社の定期健診なので、契約機関の問診は流れ作業みたいな感じだった(46歳/女性/流通・チェーンストア/事務・企画・経営関連)
・職場でやる検診は簡易なものなので、どうせやるなら人間ドックのような身体の内側までわかるような検診にしてほしい(43歳/男性/農業協同組合/公共サービス関連)
・内科が問診を担当するため、内科以外のことを相談しても、全く納得のいく回答がもらえない(52歳/男性/電気・ガス・エネルギー/技能工・運輸・設備関連)
・健康診断前の絶食にはいつも苦労する。お腹が空いて眠れなくて、いつもフラフラになりながら病院へ行く(32歳/男性/教育/専門職関連)
・待ち時間が多くて疲れる(32歳/男性/ガラス・化学・石油/事務・企画・経営関連)

健康診断を通して、病気の早期発見や、それまで無自覚だった体の変化に気づくことができたという回答が多数見られた。また、健康診断の時期にダイエットを始めるというコメントもあり、その多くが女性の意見であった。さらに、普段の健康管理について直接指導を受ける場として機能していることも伺えた。一方、診察機関や検査方法、検査の質等に対する不満の声が複数見られ、課題となる側面も指摘された。

なお、本調査における、その他の結果データは以下のとおりである。

調査時期:2016年4月13日〜4月18日
調査対象:マイナビニュース会員
調査数:600名(男性300、女性300)
調査方法:インターネットログイン式アンケート