清武弘嗣(撮影:浦正弘/フォート・キシモト)

写真拡大 (全9枚)

長き不在からの帰還だった。そしてわずかな時間の中で存在感を示すことができた。

79分、香川真司と交代で入った清武弘嗣は「10分ちょっとでしたし、落ち着いてやれたかなと思います」と久しぶりに出場した代表戦を振り返った。

清武は6月に行われた代表戦2試合、イラク戦とシンガポール戦に招集されていた。だが、右足第5中足骨の骨折により試合前の合宿でチームを離脱してしまう。

代表で最後にプレーしたのはハリルホジッチ監督の初陣となった3月のチュニジア戦。シリア戦は約半年ぶりの代表のピッチとなった。わずか半年だが、その間に日本代表は、期待が膨らんだチュニジア戦から引き分けに終わったシンガポール戦、最下位となった東アジアカップと、急下降を続けた。短くも長いときが流れていたのだ。

「すごく楽しかったですし、またしっかりやらないといけないなという気持ちになりました」

出場時間は限られたものだったが、清武はそのなかでも随所に存在感を示した。88分には柔らかいトラップから絶妙のタイミングで本田圭佑にスルーパスを通し、宇佐美貴史が決めた3点目の起点となる。試合前日には「調子もいいですし、チームが明日勝てるようにできればいいかなと思います」と話していたとおり、実際に勝利に貢献する決定的なプレーを披露してみせた。

ゴールに直結したシーン以外にも、レフェリーがアドバンテージを取っていればゴール前でGKと一対一になっていた場面や、胸トラップからオーバーヘッドを狙う見せ場を作るなど調子の良さを窺わせるプレーを何度か見せた。本人も「すごくいいコンディションで準備はしていましたし、すんなりゲームには入れたんじゃないかなと思います」と手応えを口にしている。

復帰戦としては及第点のクオリティは示せた。「15分も出ていないくらいだったので、しっかり動かないといけないと思っていましたが、次は長い時間ああいうプレーができればいいのかなと思っています」。頼もしい男が日本代表に帰ってきた。

【橋本明】

▼ 宇佐美貴史

(撮影:浦正弘/フォート・キシモト)


▼ 岡崎慎司

(撮影:浦正弘/フォート・キシモト)


▼ 岡崎慎司

(撮影:浦正弘/フォート・キシモト)


▼ 岡崎慎司

(撮影:浦正弘/フォート・キシモト)


▼ シリア戦の先発イレブン

(撮影:浦正弘/フォート・キシモト)


▼ シリアとの大一番にのぞんだ、ハリルジャパン

(撮影:浦正弘/フォート・キシモト)


▼ 中立地・オマーンのシーブ・スタジアムで開催された

(撮影:浦正弘/フォート・キシモト)


▼ ヴァイッド・ハリルホジッチ監督

(撮影:浦正弘/フォート・キシモト)