写真はオフィシャルサイトより

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 フィギュアスケート界が、妙な問題で揺れている。それも選手本人ではなく、親の犯した罪が立て続けに明るみになり、騒動となっているのだ。

 ひとつめは、10月3日、さいたまアリーナで開催されたジャパン・オープンで、533日ぶりに復帰を果たし、見事優勝した浅田真央(25)に関する問題。その父・敏治氏(56)が、今年5月23日、交際女性への暴行容疑で逮捕され、罰金30万円の刑に処されたのは既に週刊誌など一部メディアで報じられたとおりである。

 しかし、この件については、テレビをはじめ多くの大マスコミの沈黙ぶりがネット民たちの間で話題となったりもした。実際、現在も、ネットでこの件を検索しても、大マスコミの記事は極端に少なく、一部、弱小ネットサイトの記事があがってくるばかりである。これについて、某テレビ局のディレクター氏はいう。

「まあ、上からの直接的な指示というよりは、現場サイドが、公式戦復帰をすでに宣言していた浅田選手に勝手に配慮したというか、今後の取材を考えて、大きく取り上げることを自粛した、というのが正確なところですね」

 そして、今回、もうひとつの「親ネタ」が炸裂した。10月6日発売の週刊女性(主婦と生活社)が、フィギュアスケート男子の小塚祟彦選手の父・嗣彦氏が強制わいせつの罪で女性から訴えられていると報じたのである。

嫌がっても服の下から手を入れ……

 記事によれば、嗣彦氏はスケート王国といわれる名古屋で“重鎮”とのこと。当時、嗣彦氏はフィギュアスケートの名門で、浅田真央の母校でもある中京大の非常勤講師として選手育成の任にあたっていた。被害を訴えているのは、当時スポーツ科学部に在学中だったAさんで嗣彦氏の教え子だった。

 今回の件を知る関係者の1人が事の顛末を要約してくれた。

「簡単にいえば、嗣彦氏が“食事に行こう”とAさんを誘った。選手とコーチの話し合いだろうと気軽に応じたAさんだったが、連れていかれたのは、いきなり嗣彦氏の自宅。ここで、強姦一歩手前のわいせつ行為を受けたとAさんは訴えているんです」

 週刊女性の記事には、Aさんのコメントをもとにした、事件時の生々しい描写が記されている。以下に引用してみよう。

食事の後に腰に手を回し、ひざの上にAさんを後ろ向きに座らせようとした。Aさんが嫌がっても服の下から手を入れてもみ、強引にキスをした。帰りたいと訴えても、わいせつ行為はやまなかった

 週刊女性の記者は今回、嗣彦氏にも直撃をかけ、コメントを求めている。しかし、そのときの嗣彦氏の対応はあまりにもひどいと言わざるをえない。たとえば、記者がAさんについてお話を聞きたい、と最初に問うたときの反応がこうだ。

「Aさんて誰だっけ?」

 双方に言い分はあるだろうが、このような対応をする嗣彦氏とはどんな人物なのか?

「先日、司法試験の内容を教え子の女子大生に漏洩して話題になった大学院の教授がいましたが、嗣彦氏も似たようなものでしょ。彼の周辺では似たような話がいくつもあった。しかし、重鎮である彼に表立って文句をいう人もいなくて、すべて、なあなあになってきた。一言でいえば、女癖が悪い。まあ、そういう人です」(名古屋のスケート関係者)

 小塚祟彦選手と言えば、今年7月、フジテレビの大島由香里アナとの婚約を発表したばかりだが、そんなおめでたい話に、実父が水を差した形である。小塚選手も、浅田真央選手同様、自らの実力で世の中を黙らせるより道はないようだ。それにしても、フィギュアスケート業界の闇はまだまだ深そうである。

(取材・文/小林靖樹)