韓国メディア・中央日報の中国語電子版は3日、韓国造船業の「ビッグ3」である大宇造船海洋、サムスン重工業、現代重工が今年第2四半期にいずれも大規模な赤字を出し、3社の赤字総額が約5兆ウォン(約5320億円)に達したと報じた。

 記事は、第2四半期に大宇造船が3兆3180億(約3540億円)ウォン、サムスン重工業が1兆5481億ウォン(約1650億円)、現代重工が1710億ウォン(約183億円)の赤字を出したと紹介。もっとも大きな赤字を出した大宇造船は、幹部の大規模なリストラのほか、業務と関係性の薄い資産の売却、新たな本社、研究開発センター建設計画の中止といった立て直し策を余儀無くされるとした。

 また、赤字が想定されていた大宇造船とは異なり、予想外の大規模な赤字となったサムスン重工業について「非常事態に突入した」と説明。造船分野において世界ランキング1位を誇る現代重工についても、第2四半期の業績が発表されると幹部の人事異動が行われ、「事実上、経営不振を招いた事に対する問責人事」との評価が出ていることを伝えた。

 記事はさらに、昨年11月に現代重工の幹部81人が退職し、今年初めには課長クラス以上の社員1500人あまりに対して希望退職制度を実施したことを紹介。造船業の業績不振を受け、サムスン重工業、大宇造船も近い将来同様の希望退職制度を実施する可能性があるとの見方が業界関係者から出ていることを併せて伝えた。

 韓国造船業界のトップ企業が相次いで赤字を出した一因には、低価格で受注してきた海洋プラントプロジェクトの成長が鈍化していることがあるとみられる。各企業は、経営体制立て直しを進めるとともに、より付加価値の高い船舶の建造へと重点をシフトする必要に迫られているようだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)