連続テレビ小説「まれ」オリジナルサウンドトラック2 音楽 澤野弘之 SMR
「連続テレビ小説 まれ Part2 」NHK出版 7月24日発売予定

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朝ドラ「まれ」((NHK 月〜土 朝8時〜)7月21日(火)放送 第17週「究極選択パリブレスト」第98話より。脚本:篠崎絵里子(崎の大は立) 演出:一木正恵

3日天下とはこういうことを言うのでしょうか。
徹(大泉洋)のはぶりの良さも、安西(六角精児)の逮捕のニュースによって崩壊。
徹が安西を保証人にして5000万もの大金を借りて会社をつくっていたことに、希(土屋太鳳)と藍子(常盤貴子)は愕然。
「ひさびさの爆弾やわいね、お父さんは」って希のセリフは【今日の、勝手に名言】でした。

こんなとき、司法書士である大輔(柳楽優弥)が、専門的な説明をするキャラとして機能します。
そもそも、この展開を考えて彼にこの職業を設定したのだったら、用意周到。安西も能登に登場したとき、後々また希たちを邪魔する悪役として出そうと思っていたのでしょうかね。

なんだかもったいないですが


「おれは尽くすタイプなの。」と、輪子(りょう)に頼まれたふりしてケーキを買いに行き、希の様子を気にする大輔。徹のピンチも、なんとか助けてくれるといいですが。
「相手がいればどんどん変わっていくのね。」と既に完成されたかと思っていた大悟(小日向文世)が、希と出会って変わってきたことを喜ぶ輪子に、「息子に期待できない分、そういう相手が現れて。」と返す大輔。
偏屈で孤高の天才・大悟のこともこうやってセリフでさくっと済ませてしまってなんだかもったいないですが、そこは考えずに、先の展開に思いを馳せることにします。

大輔が希に執着しているのは、お父さんとの愛情の欠落ゆえなのかも。大輔がずっと抱えているものが、そろそろ描かれる時期かしら。
いや待て。
そういう繊細なドラマを期待しても、いままでの流れだとまたさくっと描かれて終わってしまうので、未来にもあまり大きな期待はできません。
あ、そうか。
大きな夢をもってはいけない、身の丈を知らなくては。と視聴者にも実感させる点において、ドラマの軸は最初からいっさいブレていないのです。

今日の、注目


ちょっと待ってください。

必ずやれます。

もう一度、チャンスをください。

希がフランス留学したときに備え覚えておこうとしているフランス語は、このみっつ。ガッツのあるこれらも、能登で希が学んだ「不退転」の精神につながっているのでしょう。ここもブレていませんよ。

ちょっと待ってください、必ず「まれ」はやれます、もう一度、チャンスをください。って言っているみたいにも思えます。
もう一度って何度目だ? って感じで100話まであと2話!
(木俣冬)

エキレビ!にて月〜土まで好評連載中! 木俣冬の日刊「まれ」ビュー全話分はこちらから

いまひとつ視聴率が伸びないが、奮闘は讃えたい。NHK朝ドラ「まれ」おさらい(54話までを総括))