PL学園vs今宮工科
3安打の辻涼介（PL学園）
この日もPL学園が打で圧倒した。初回から3番辻の適時打などで3点を先制すると、4イニング連続で点を入れ、14対1で5回コールド勝ちを決めた。1番〜9番まで万遍なく打っていたが、今後も注目されそうな選手をピックアップしておきたい。
1番謝名堂 陸（3年・右投げ左打ち）は、俊敏性の高さとミート力の高さが光る遊撃手。出足の良さ、身のこなしの良さ、走攻守すべてにおいて器用にこなすセンスの高さと、一目見れば良い選手なんだなと思わせる雰囲気の良さもある。バットコントロールが実に良く、インパクトまで無駄がなく、高打率が期待できる好打者。守備でも一歩目の反応が速く、この日もぬけそうな打球に対して、しっかりと追いつくことができていた。
3安打の3番辻 涼介（3年・右投げ右打ち）も走攻守三拍子揃った大型外野手。守備で目に付いたのは、肩の強さ。遠投106メートルと話すように、実に鋭い返球を投げている。そして打撃でも、広角に鋭い打球が打てる選手。投手に対して、しっかりとタイミングを合わせて最短距離で合わせることができており、何よりどの打席でも、しっかりとミートができているのが最大の強み。狙い球を逃さない嗅覚の鋭さといい、ミートセンス、打球の鋭さは、PL学園の野手の中では最も抜けている選手であった。
4番大丸 巧貴（3年・右投げ右打ち）は恵まれた体格から鋭い打球を放つ長距離打者。内野手の間を抜く鋭い打球を放つが、長打を狙っているのか、フルスイングしようとすると力んで、強引な打撃になりがちなところが気になった。190センチもある体格で、軽く振っただけでも、打球の鋭さは段違い。自分のスイングを心掛ければ、さらによい結果を望めるはず。
5番グルラジャニ ネイサン（3年・右投げ左打ち）は、パワー自体は素晴らしい。ただ一発を狙いすぎて、全体的に引っかけ気味で的確にボールを捉えきれていないところが気になった。タイミングが嵌れば、おそらく軽々と長打が狙える選手。次の試合に向けてどこまで修正できるか注目をしていきたい。
6番大和久 広輝（3年・右投げ右打ち）も辻同様、走塁、打撃で魅せる好打のセンター。PL学園は能力が高い打者が揃っているので、6番を打っていると思うが、普通のチームならば、1番を打たせていてもおかしくないぐらいミート力の高さと脚力の高さを持った選手であった。 ほかにも好選手は多かったが、特に活躍が光ったのは、この5人であった。今後の戦いでも注目を浴びていく選手になっていくのは間違いない。昨秋は決勝戦で大阪桐蔭に敗れ、リベンジしたいという思いが強いだろう。今年も、去年に引き続き、要注目チームに入っていくのは間違いない。
