7日、扇参院議長(右)に自殺対策の法制化を求める署名を提出する市民団体の関係者と超党派の議員。(撮影:徳永裕介)

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自殺対策の法制化を求める署名が10万人分以上集まり、自殺問題に取り組む市民団体が7日、署名の半分を扇千景参院議長に提出した。残りの半分は衆院議長に提出する予定。

 署名運動は、NPO法人「自殺対策支援センター ライフリンク」(東京)などが中心となって4月中旬に開始。自殺者数が8年連続で3万人を超えていることから3万人を目標にしたが、最終的には全国から目標の3倍以上となる10万1055人分の署名が集まった。

 署名の提出には、今国会で「自殺対策基本法案」の成立を目指す超党派の参院議員が同行した。議長応接室で机の上に詰まれた署名を前に、市民団体側が「国会の会期末まであと2週間と迫っている。ぜひ、今国会で法制化していただきたい」と訴えると、扇議長は「(会期末まで)まだ時間があるから」と応じていたという。

 面会後に会見したライフリンクの清水康之代表は「1カ月半で10万人を超える署名が集められたのは、それだけ社会の現場が切迫していることの表れ」と問題の重要性を説明。「法律ができたらすぐ問題が解決すると考えていないが、自殺対策に取り組む最大の啓発活動になる。関係者が連帯して問題に取り組む足場ができる」と強調した。発起人の一人である東京自殺防止センターの西原由記子さんは「自殺した人の半分は、その前に自殺未遂を起こしているという。未遂者へのケアが大事だ」と話していた。【了】

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