1日午前9時からシステム障害が原因で立ち会い取引が停止している東京証券取引所(撮影:吉川忠行)

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東京証券取引所は1日、システム障害が原因で同日午前9時から停止している全株式2401銘柄と転換社債(CB)119銘柄の立ち会い取引について、午後も再開のめどが立っていないと発表した。同じシステムを使用する札幌、福岡の両証券取引所でもコンピューターによる売買取引が停止している。

 東証の株式売買停止は、1997年8月1日にシステムダウンで約1700銘柄の午前の取引が2時間にわたって一時停止して以来、8年3カ月ぶり。東証の天野富夫常務は同日午前、記者会見し、原因は特定できていないとしているが、「現状ではソフトの問題だと思う」として、ソフト障害の可能性を示唆した。東証は、障害部位の特定と除去、証券会社からの注文の受け取り、処理、返信など動作確認を急いでいる。

 東証によると、インターネット取引の増加に対応するため、10月8日からの連休中にディスクの設定値を変更し、注文処理件数をそれまでの620万件から750万件に引き上げた。障害発生前日の31日の注文件数は約480万件だった。天野常務は「商いの基本量が増えたことが原因とは考えにくい。10月上旬で拡大した影響が時間をおいて出てきた可能性はゼロではないが」と語った。

 天野常務は「システムが基幹の産業でありながら、機能が提供できないことは 大変申し訳ない。同じことが起こらないようにしたい」と陳謝した。鶴島琢夫社長はインド出張中だが、危機管理体制について「担当で判断できる対応なので、私の判断で売買停止した」と話した。【了】