学生の窓口編集部

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「悪いことをすると地獄に落ちるよ!」なんて子供のころに言われたことがあると思います。また、寺院などに所蔵されている地獄絵図を見ると、非常に恐ろしい風景が描かれており、悪いことはするまい……と思ってしまうでしょう。

この地獄には、実は8つの階層があることは皆さんご存じですか? 今回は、八つある地獄の階層と、それがどんなところなのかをご紹介します。


■地獄は気が遠くなる時間、苦痛を受ける……

●等活地獄

殺人や無意味に生き物の命を奪うなどをした者が落とされる地獄。一番浅い階層の地獄です。ここに落とされた者は互いに武器で殺し合い、また殺し合わない者も鬼によって体を引き裂かれます。引き裂かれても鬼の「生きよ生きよ」の言葉で元通りにされ、また同じ苦しみを味わうことになります。

●黒縄地獄

殺人や盗みを犯した者が落とされるとされているのがこの黒縄地獄。墨縄という木材に線を付ける道具で体に幾重もの線を付けられ、その線に沿ってのこぎりで切られる、という罰を受けます。

●衆合地獄

殺人や盗みだけでなく、みだらな行為を繰り返した者が落とされる地獄です。ここに落とされた者は「鉄の巨象に踏みつぶされる」「鉄の山で押し潰される」「やいばの葉の木の上にいる美女に誘惑され血だらけになって木に登る」という苦痛を受けます。

●叫喚地獄

先ほどの三つの罪に加え、飲酒や酒を使った毒殺を行った者が落とされる地獄。熱湯の中や焼けた鉄で作られた部屋に入れられたり、鬼に追い掛けられて矢で射られる、焼けた鉄の上を走らされるといった苦痛を受け続けます。


●大叫喚地獄

殺人、盗み、みだらな行為、飲酒、そしてうそをついた者が落とされるのが大叫喚地獄です。先ほどの叫喚地獄の苦痛と同じものを、より激しく受けることになります。

●焦熱地獄

次は焦熱地獄です。先ほどまでの罪に加え、仏教の教えとは全く違ううその内容を広めた場合に落とされます。熱した鉄板の上でそのまま焼かれたり、体をバラバラにされた状態で焼かれます。このときの熱さはそれまでの地獄が生ぬるいと思えるほどなのだとか……。

●大焦熱地獄

先ほどの焦熱地獄のさらにすごいものがこの大焦熱地獄。これまでの罪に加えて、尼僧や童女の強姦(ごうかん)を犯したものが落とされます。大焦熱地獄で苦痛を受けている罪人の悲鳴は、遠く遠く離れた場所にも届くほどだそうです。

●阿鼻地獄

地獄の中でも最下層に位置するのが阿鼻地獄。これまでの罪だけでなく、父親や母親、また聖者と呼ばれる者をあやめた場合、ここに落とされます。この地獄に落とされた場合、まず到達するのに2000年かかります。その間ずっと落下し続けます。

到達しても、「熱湯や刀で切られるなどの苦痛を絶え間なく受け続ける」「舌を抜かれて釘を打ち込まれる」「火を吐く虫に焼かれ続ける」などの苦痛を受け続けます。

地獄にはこうした八つの階層があります。どの地獄も罪人の寿命というものがありますが、一番短い等活地獄でも約1兆6,000億年。気が遠くなります。

また、それぞれの地獄に落とされた際、比較的罪の軽いものは16ある小地獄に落とされます。しかし、この小地獄も焼かれたり、動物に食われたり、肛門に焼けた鉄を流し込まれるなど最悪の場所。地獄は本当に怖い場所なのです……。

(中田ボンベ@dcp)