8月11日に決勝が行われたスーパー耐久第4戦 富士SUPER TEC 7時間耐久レース。このレースでマツダデミオがトヨタ、ホンダ以外で初めてST-5クラスを優勝するという快挙!



 レースイメージの強いマツダですが、実はその全てがロータリーエンジンでの活躍。はるか昔の1970年代にスカイラインGT-R50連勝を止めたのがサバンナRX-3、その後ルマンへ進出した一連のレーシングカーもロータリーエンジン。2010年までスーパーGTに参戦していたRX-7も当然ロータリー。レシプロエンジンでも名車ロードスターがモータースポーツシーンで活躍しているイメージがありますがそのほとんどがワンメイクレース。古くは日本グランプリからN1耐久、スーパーGTやスーパー耐久など全日本格式以上の耐久レースでマツダのレシプロエンジンの優勝は皆無なのです。


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またデミオはラリーやジムカーナでは全日本戦にも出場しており、最近では今年の全日本ラリー第2戦でJN-1クラスの優勝をデミオの1300が果たしておりますが、ワンメイク以外のレースへの進出は昨年度のスーパー耐久が初めて、という意外とレースでの歴史は浅かったのです。


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そしてスーパー耐久といえばメルセデスSLS AMGや日産GT-R GT3からレクサスGS350、下はデミオ、ヴィッツ、フィットまでが混走するという、観る側からすればバラエティ豊かで、走る側からすればかなり難しいレース。


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 今回優勝したDIXCELアラゴスタNOPROデミオは谷川達也選手が予選4番手スタート。順調にポジションを上げて行き、1時間経過後には既にトップとバトルをしているところまで追い上げ3時間経過後からはトップを死守。途中ゲリラ豪雨に見舞われ雨中をスリックタイヤで逃げ切るなどハラハラする場面もありましたが、最後まで首位を守りきって7時間を走りきりST-5クラスの優勝を果たしました。この優勝がレシプロエンジン車としてマツダ史上初の国内上位耐久レース優勝となったのです。


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 プライベーターながらマツダデミオを歴史的な優勝に導いたドライバー諸氏。右から谷川達也選手、野上達也選手、野上敏彦選手兼監督、小原健一選手。


現在、マツダはロータリーエンジン車の生産を中断しています。しかしこのデミオの優勝のようにスポーツの血統が途絶えたわけではないのです。ディーゼルも含めて、スカイアクティブテクノロジーにこの流れを受け継いでもらいたいと筆者は切に願います。


(写真・文:北森涼介)



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