青函航路をつないだ高速フェリー、台湾東部で運航開始

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(花蓮 8日 中央社)高速フェリーの「麗娜(リーナー)」が7日午後花蓮港に到着、盛大な歓迎を受け、台湾東部の海の交通に新しい1ページが切り開かれた。同船は8月8日から9月8日までの1カ月間営業運航することになっており、蘇澳港(宜蘭県)と花蓮港(花蓮県)を結んで火曜以外毎日1往復する予定。

世界最大級のウォータージェットフェリー「麗娜」はもともと2007〜08年に日本の青函航路で「ナッチャンRera」として運航されていたもので、昨年台湾の海運大手によって購入された。アルミ合金製で高速。乗客800人近く、自動車200台近くを同時に運べる。

7日は450人の観光客を乗せ基隆港を出発、花蓮港に到着すると埠頭では地元・花蓮の原住民による歓迎の踊りが披露され、新しい台湾東部の“海の道”の象徴として盛大に迎えられた。今後1カ月間の運航スケジュールは行きが蘇澳午前10時発、花蓮12時着、帰りは花蓮午後2時発、蘇澳午後4時着。

台湾東部ではかつてもフェリーが運航されていたことがあり、当時は花蓮の観光業振興に大きな役割を果たした。しかし、1980年の台鉄・北回り線(蘇澳−花蓮、距離約79キロ)の開通後不振が続き、1983年4月に定期便が廃止され、同年9月には船が台風で流され座礁し解体されたという経緯がある。

「麗娜」の運営関係者は同船を観光船と位置づけ、花蓮に16億台湾元(52億円)の商機がもたらされるとみているが、地形的な理由で陸の交通が不十分な花蓮県では地元民にとっての利便性向上に期待をかけており、市民への交通費補助も考えたいとしている。

(編集:谷口一康)